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ＪＭＴＳＰアメリカ音楽療法だより（93）

ＪＭＴＳＰアメリカ音楽療法だより（93）

2014年02月13日(木) 12:51
カテゴリ: Facebook, Twitter, お知らせ, アメリカ, 健康・福祉, 国際, 日本, 音楽, 音楽療法
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伊賀音楽療法研究会から世界音楽療法の最新情報が送られてきた。

ＪＭＴＳＰアメリカ
音楽療法だより（93）

伊賀音楽療法研究会メールマガジン２月号(No.151)

[世界音楽療法情報］
ＪＭＴＳＰアメリカ音楽療法だより（９３）

伊賀音楽療法研究会メールマガジン読者の皆様、こんにちは。以前にも何度が記事を投稿させていただきました鎌原大です。前回は刑務所に転職するまでに感じ、思った事を書かせていただいたのですが、現在の仕事を初めて約半年が経ち少しずつ新しい職場の状況が見えてきたました。今回は「Ｆｏｒｅｎｓｉｃ　Ｍｕｓｉｃ　Ｔｈｅｒａｐｙその１」と題しまして刑務所と音楽療法について書かせていただきます。

まず一番最初に仕事をし始めて感じたのが刑務所って社会の縮図だな～と。一言で刑務所と言っても、本当に多彩な人々がいる。身体的障がい、発達障がい、知的障がい、精神障がいなど、受刑者それぞれに様々ニーズがあり、そのニーズにあわせて沢山のプログラムがあるんだな～と。現在カリフォルニア州が直面している大きなニーズの一つに受刑者の高齢化が挙げられています。カリフォルニア州では刑罰法が厳しい事もあってか懲役１２０年という刑も存在していまして、受刑者の数が年々増加。現在は受刑者の数が刑務所の収容人数以上を越して、飽和状態に陥っているのです。幾つかの刑務所は、これからナーシングホーム化していくと言われていて、どうやら私の職場もそちらの方向に向かっていく施設の一つみたいです。

さて刑務所内での音楽療法活動の内容はいかがなものかと申しますと、基本的に前職場であった精神病院や薬物中毒矯正施設で行っていた内容と被りました。ザッと今で行っていた音楽療法活動の例を挙げてみますと、
１．演奏活動
２．歌唱活動
３．音楽と身体活動
４．音楽とアート
５．リラクゼーション
６．音楽レクリエーション
７．音楽心理療法
８．音楽と心理教育
となりますでしょうか。。。この中で現在のトコ特に人気があった音楽療法的活動は歌唱活動、音楽とアート、そしてリラクゼーションです。前述しましたように現在ＣＡ州の刑務所は飽和状態な為に、受刑者にとってプライベートになれる時間というのが、大変限られています。そんな彼らにとって、静かにゆっくりとできる時間というのはかなり貴重な時間みたいです。ＢｏｎｎｙＭｅｔｈｏｄｏｆＧｕｉｄｅｄＩｍａｇｅｒｙａｎｄＭｕｓｉｃ（ＧＩＭ）の技術をベースとしたイメージを使ったリラクゼーションを行ったのですが大変リラックスできると、とても好評でした。又、リラクゼーション音楽を聴きながら曼荼羅を描く又は色を塗るという活動を行ったのですが、これも又とてもリラックス効果があるみたいで好評をいただきました。

もちろん精神科・薬物矯正施設と違う点も幾つか存在しています。その一つで特に気を付けなければいけない事が,受刑者たちに暗黙のルールを理解する事。彼ら独特の考え方がありまして、それによって刑務所という社会がまわっている部分もあるので、そのルールにはいつも気を付けます。例えば犯した罪の内容によってランクが存在していて、殺人などは上のランクで性犯罪などが最下級ランクに属するみたいです。その罪の内容によって他の囚人から苛められたり、はたまた殺される危険性もありますので、他人に自分の事をシェアーする事には皆気を付けています。ですから、自分の内面をOpen Upして他人とシェアーを促進させるグループ音楽心理療法は現在は行っておりません

と、現在の職場で半年経ってやっとこの様な事が見えてきた状態です。これから学術大会などにも参加して様々なＦｏｒｅｎｓｉｃ　Ｍｕｓｉｃ　Ｔｈｅｒａｐｙの技術・知識を吸収して自分を高めていこうと思っています。読者の皆さんも刑務所と音楽療法について何か有益な情報がありましたら、ぜひ私に紹介してくださいね。では、ご精読ありがとうございました。何か質問等ございましたら、ＳＡＫＯＭＴ＠Ｈｏｔｍａｉｌ．ｃｏｍまでご連絡ください。鎌原大

[編集後記]
存続が危ぶまれておりましたＪＭＴＳＰアメリカ音楽療法だよりも無事届き、なんとかメルマガを発行することができました。しかしながら、１１月にご投稿いただいたＪＭＴＳＰの代表を務める鎌田さんからの連続投稿となりました。アメリカで活躍する音楽療法士の方々の情報を日本の皆様にお届けすることを目的にこのシリーズが始まったのですが、アメリカで活躍する音楽療法士の方々のネットワークが日本人という枠ではつながりきれなくなってきたのかも知れません。皆様、アメリカの音楽療法士として大成されていますので。これからは、アメリカからのたよりが届き次第、メルマガを発行していきたいと思いますので、不定期発行になることをご了承ください。（イ）

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