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コラム – アイヌ文化あれこれ Vol.37 （北海道のメールマガジン）

コラム – アイヌ文化あれこれ Vol.37 （北海道のメールマガジン）

2015年02月23日(月) 1:26
カテゴリ: Facebook, Twitter, お知らせ, オホーツク, 北海道, 北海道人, 国際, 日本, 観光, 音楽
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コラム – アイヌ文化あれこれ Vol.37 （北海道のメールマガジン）
Column – Ainu Culture Arekore Vol.37 (Hokkaido Newsletter)

アイヌ文化発信！コラム
～アイヌ文化あれこれ～

アイヌ文化あれこれ Vol.37

アイヌ語地名研究者と「赤毛のアン」翻訳者の意外なつながり

こんにちは！北海道立アイヌ民族文化研究センターです。

『東北と北海道のアイヌ語地名考』という本があります。楡書房から1957（昭和32）年に初版が出版されました。アイヌ語地名研究の第一人者である故・山田秀三（やまだひでぞう）氏による、アイヌ語地名についての最初の著書であり、アイヌ語地名研究の水準を飛躍的に高めたとして、当時から高い評価を受けた本です。

この本の第３版（1961年発行）には、帯が付いています。帯には、この本を宣伝するキャッチフレーズ的な言葉と、著名人や読者による短い推薦文が３本、書かれています。

その中に、「赤毛のアン」の翻訳などで知られ、昨年のNHK連続テレビ小説『花子とアン』でも取り上げられた、村岡花子氏(むらおかはなこ：1893～1968年)によるものがあります。村岡氏は、この本を「殊に興味深く読みました。美しい写真と、文と、そして、それらがもたらす知識と──実に楽しい読みものです。」と述べ、この本が「知識」をもたらす「楽しい読みもの」だと高く評価しています。

それにしても、1945（昭和20）年まで商工省などで資源政策に関わる官僚を務め、この本が出版された当時は北海道曹達（ソーダ）株式会社の社長をつとめる傍ら、地名を調べていた山田氏の本に、翻訳家・児童文学者である村岡氏が文章を寄せているのは、どんな事情によるのでしょうか。

実は、山田秀三氏の妻・總子(ふさこ)氏と、總子氏の母・片山廣子(かたやまひろこ)氏を結ぶ縁があることに、多くの方々からご教示をいただき、思い至りました。片山氏は、歌人であるとともに、松村みね子の筆名でアイルランド文学の翻訳者としても知られています。片山氏は、村岡氏と同じ東洋英和女学校の出身で、片山氏が15歳先輩です。村岡氏は片山氏の自宅をたびたび訪れるほど、二人は深い交友を続けています。村岡氏が翻訳家として知られるきっかけになった『王子と乞食』の翻訳は、片山氏のすすめによるものと言われています。

村岡氏は、このような片山氏との交際の中で、片山氏の娘である總子氏と知り合い、さらにその夫となった山田秀三氏のことを知るようになったのだと思われます。

今回はアイヌ語地名の話ではありませんが、アイヌ語地名研究の第一人者である山田秀三氏と「赤毛のアン」で知られる村岡氏とのつながりを思いながら、『東北と北海道のアイヌ語地名考』を手にとっていただければ、と思います。

（参考文献）
清部千鶴子『片山廣子孤高の歌人』短歌新聞社、1997年
川村湊『物語の娘宗瑛を探して』講談社、2005年
新井宿自治会連合会（監修）『わがまち新井宿』第63号、2014年

アイヌ民族文化研究センターのホームページはこちらです。http://ainu-center.pref.hokkaido.jp/

北海道立アイヌ民族文化研究センター (011)272-8801

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北海道立アイヌ総合センター
Hokkaido Ainu Center
北海道立アイヌ総合センター（ほっかいどうりつアイヌそうごうセンター、英訳名: Hokkaido Ainu Center）は北海道が設置[1]する、アイヌ民族の歴史及び文化に関する資料を収集・保管し、展示等を行う施設である。（http://ja.wikipedia.org/wiki/北海道立アイヌ総合センター）