家で最期まで生きる – 経済の伝書鳩(連載)
在宅医療(ざいたくいりょう、英: home medical care)とは在宅で行う医療のこと。外来・入院についで第三の医療として捉えられている。 定義: 狭義には、緩和医療などの医療者が通院困難な患者の自宅もしくは老人施設などを訪問して医療を行うことである。 広義には、「病院外」で行うすべての医療のことである。例えば処方してもらった薬を自宅で飲んだり、注射薬を使用しつつ職場に通ったりするなど、通常社会生活を行いながら、自宅で行う医療、継続する医療はすべて在宅医療といえる。 在宅医療は「オーダーメイド医療」という側面もあるといわれている。 在宅医療の担い手とアクセス: 在宅医療の担い手として、現在は病院、診療所、歯科診療所、訪問看護ステーション、調剤薬局等がある。訪問リハビリテーションと訪問栄養指導については独立した担い手となる機関は現在設定されていないが、病院、診療所、訪問看護ステーション等に含まれている。そのいずれも患者自身の住居近くに存在しているものであり、かかりつけ医、受診している病院の医療相談室等、または地域の訪問看護ステーションや医師会、歯科医師会、またはケアマネージャー等への問い合わせで最寄りの在宅医療機関を知ることができる。
ja.wikipedia.org/wiki/在宅医療
緩和医療(かんわいりょう)とは、生命(人生)を脅かす疾患による問題に直面している患者およびその家族の、QOL(人生の質、生活の質)を改善するアプローチである。苦しみを予防したり和らげたりすることでなされるものであり、そのために痛みその他の身体的問題、 心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと治療を行うという方法がとられる(WHOの定義文2002より)。 緩和ケア(palliative careパリアティブ・ケア)とも。
ja.wikipedia.org/wiki/緩和医療
連載 家で最期まで生きる (01)
~在宅医療市民講座より~
病院で命の最期を迎えるのが当たり前の時代、家族に見守られる在宅死という選択肢を知ってもらおうと、北見地方地域在宅医療・緩和ケア連絡会は20日、「在宅医療市民講座」を北見工大で開いた。講演では家族が最期を看取る意義や「延命から穏やかな終焉」という、人の死の尊厳に寄り添う話に市民らが耳を傾けた。講演内容を連載する。 (澄)
延命から穏やかな終焉
講師は訪問看護師の女性で「在宅ケアの不思議な力」と題し、家族とともに最期を看取った経験を語った。 戦後の多産世代である後期高齢者群が死期を迎える時代となった現在、全国データによる死亡場所は病院・診療所死が81%、在宅死が13%。北見保健所管内は病院死88%、在宅死10%とその傾向はさらに顕著。 一方で多くの高齢者は、元気に生きて迷惑をかけずに死ぬ「ピンピンコロリ」を望んでいるという。 近年は医療制度の変更によって入院日数の適正化が図られたことで、病院医師が最期を看取る「病院死」が少なくなっているという。 現代人の死について講師は「病院死が一般化し、病院でなければ死ねないと思っている」「家族も逝く人を見たことがない」など、人の死に対する固定観念の排除を促した。「治すことに専念してきた医療から、病気や障がいを持っていきいきと生き、おだやかに人生の終りを支える医療へ」と考え方の転換をすすめた。 その方法として在宅療養がある。潜在的に「住み慣れた自宅で療養したい」「最期の日まで思い出のある、わが家で自分らしく過ごしたい」というニーズがあり、在宅患者への訪問による医療と看護、そして介護の重要性を説いた。
経済の伝書鳩(フリーペーパー) 2013/10/28掲載(北見市/社会・本紙連載)
denshobato.com/BD/N/page.php?id=74009
連載 家で最期まで生きる (02)
~在宅医療市民講座より~
在宅医療ネットワークとは
講師は訪問看護師の女性で「在宅ケアの不思議な力」と題し、家族とともに最期を看取った経験を語った。 家族に見守られながら最期を迎える「在宅療養」を支えるのが、在宅医療ネットワーク。その構成は在宅の患者を診る訪問診療医、訪問看護師、そして家族、またはケアマネージャーやヘルパー。この3者がその人の医療・保健・福祉を支える。 その活動をバックアップするのが、地域病院や保健薬局、訪問看護ステーション、地域包括支援センターなど。 事例の一つ「97歳の女性・認知症高齢者の在宅看取り」。女性は90歳から認知症状が出現、一人娘(70歳)が7年間という長い時間、母の介護を自宅で続けていた。97歳の初秋、軽いけいれん発作の後、急な呼吸停止。医師の処置で回復したが、意識レベル低下のまま、12日間、在宅で家族の看取りが行われた。 ここで重要になったのが「食べられなくなったらどうするのか」「終末期の医療をどこまでするのか」という意思決定の問題。 それまで、娘は介護している時「食べさせなくては」との思いで、1回の食事に2時間をかけて介助していたが、最期の看取りの段階では医療措置はほとんど行わず、痰(たん)の除去などの口腔ケアにとどまり、家族にとって穏やかな別れの時間となった。「人の最期が病院の中で行われるため、看取りの経験のない人が多い。家族が納得をして看取ることが大切」と強調した。 (澄)
経済の伝書鳩(フリーペーパー) 2013/10/29掲載(北見市/社会・本紙連載)
denshobato.com/BD/N/page.php?id=74058
連載 家で最期まで生きる(完)
~在宅医療市民講座より~
訪問看護師や施設職員の対応
講師は訪問看護師の女性で「在宅ケアの不思議な力」と題し、家族とともに最期を看取った経験を語った。 自宅や施設で最期を迎える際、訪問看護師や施設職員の対応についても言及した。まず、本人や家族に最期を迎える場所を在宅、病院、または施設なのか、についてそれぞれの利点、欠点、経済的負担など個別の状況を説明、その上で意思を確認する必要がある。 「とことん加療してもらうのか」「どの範囲なのか」「食べられなくなった時の考え方」など、最期に近づいた時の対応の合意も必要という。 また、最期を迎える際、家族への配慮として「家族の気持ちをはかりながら家族もケアに参加できるようにする」「家族に身体にさわって声をかけてあげてと促す」「家族が食事や休息がとれているかを観察したり、そのための支援を行う」などが必要という。 息を引き取った後、医師による死亡確認が行われる。死亡診断書の交付を受け、役所に死亡届を提出したら埋葬許可書が交付されるなどの説明も。 「家族への慰労を十分に行いながら悲嘆の時を経て元の生活に戻れるような言葉をかけてあげて」という。だが「その場面で家族に近い存在にはなれるが、家族ではないことを自覚して仕事を行うこと。1人称でもなく客観視する3人称でもなく『2.5人称』の立ち位置であることを忘れないように」とアドバイスした。 (澄)
経済の伝書鳩(フリーペーパー) 2013/10/30掲載(北見市/社会・本紙連載)
denshobato.com/BD/N/page.php?id=74086
関連サイト
在宅医療の推進について |厚生労働省
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/index.html
北海道医療計画[改訂版]を策定しました
www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/iyk/soukatsu/iryokeikaku/00hokkaidouiryokeikaku.htm
北海道医療計画[改訂版]北網地域推進方針 – オホーツク総合振興局
www.okhotsk.pref.hokkaido.lg.jp/hk/kth/hokumousuisinnhousinn.htm
北見保健所 – オホーツク総合振興局
www.okhotsk.pref.hokkaido.lg.jp/hk/kth/
関連エントリー
大切な命を守ります。(北海道の北見保健所) – 美幌音楽人 加藤雅夫
masaokato.jp/2013/10/24/084716
オホーツク圏の医療体制整備と北網地域の医療再生事業について – 美幌音楽人 加藤雅夫
masaokato.jp/2013/04/03/081521
在宅医療 の検索結果 – 美幌音楽人 加藤雅夫
masaokato.jp/?s=在宅医療
緩和ケア の検索結果 – 美幌音楽人 加藤雅夫
masaokato.jp/?s=緩和ケア
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住み慣れた自分の家で最期を迎える。サポートする人は大変でしょうが、私はいいことではないかと思います。
なりひら より 2013 年 11 月 3 日 23:21