戦争の体験を 語り継ぐ。(連載5:伝書鳩)
戦争の体験を 語り継ぐ。(連載5:伝書鳩)
連載 語り継ぐ戦争 (8)
北見・男性(93)
「各地で激戦が繰り広げられていた中、私が生き残ったことは奇跡」。北見市内の男性(93)は戦時中、近衛(このえ)歩兵第二連隊に配属され、皇居のある旧江戸城の警衛にあたった。戦地に赴くことはなかったが、天皇を守る重責を全うした。戦後69年が経った今も当時の写真を見返すたび、戦時中の記憶が鮮明によみがえる。
皇居の警衛として重責全う
生き残ったことは奇跡佐呂間町出身。農家の長男として生まれた。昭和16年春に徴兵検査を受け、翌年1月、同連隊に配属された。近衛兵は全国各地から選び抜かれた優秀な模範青年で編成されることから“エリート集団”と称された。 連隊では旧江戸城の北の丸で警戒、監視の任に当たる歩哨係を任された。複雑に入り組む宮城内を頭に叩き込み「持ち場を離れることは許されない」とされた。任務中「まだ少年だった(現在の)天皇陛下が騎乗の練習をしている姿も見ました」。 歩兵訓練では機関銃を担ぎ、千葉県の習志野まで徒歩で演習に向かうこともあったが「足腰の強さだけは自信があった」。陸軍の銃剣術の大会でもたびたび優秀な成績を収め「近衛連隊に男性あり」と言わせるほどの腕前だったことが誇りだ。 配属当初、戦時中ながらも穏やかな日々が続いていたが、アメリカ軍の空襲により戦況は悪化。兵舎から空襲を受けた東京を見渡すと「九段下から浅草まで一帯が丸焼けで、手のつけようがないと感じました」。空襲被害を最小限にとどめるため、家屋を壊して防火帯を造る作業にもあたった。 昭和20年8月15日。終戦を知らせる玉音放送は「不鮮明で聞こえなかった」と思い起こす。その後、連隊は解散となり、男性は北海道に帰郷。道中の上野駅で「たくさんの戦争孤児がいて、物ほしそうな目線が忘れられません」。命あるまま戦争から戻ったが「北海道は大凶作の年で、帰ってからも苦労が多かったです」。 終戦から69年。「すべてが日本人の『務め』だと言い聞かせて乗り越えてきました。しかし無駄な戦いには違いない。これからの日本が平和であることが私の望みです」。 (理)
(掲載写真)
戦時中の写真の数々
連載 語り継ぐ戦争 (8) – 経済の伝書鳩
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