戦争の体験を 語り継ぐ。(連載3:伝書鳩)
戦争の体験を 語り継ぐ。(連載3:伝書鳩)
連載 語り継ぐ戦争 (6)
父の「頼むぞ」守った母
美幌町在住の77歳女性は、父親が戦死する約3週間前に、母親に宛てた手紙を大切にしている。「父上様はお前に頼むぞ」「子どもは十分に教育してくれ」。極限の中で周囲を気遣った父親と、書かれたことを忠実に守るように生きた母親に、思いをはせている。
美幌・77歳女性
極限の中、手紙で家族の幸せ託す女性は旧常呂町出身で、4人姉弟の二女。父親は蹄鉄業を営み、女性が物心ついた頃にはすでに出征していた。「スポーツマンだったと聞いてますが、父の顔を覚えていないし、思い出もないんです」と話す。 父親が手紙を書いたのは、宮古島に出発する直前の昭和20年2月23日。「午前二時書く」と記している。 母親はこの手紙を手にする前に、父親に電信を送って訪ねたが、会えなかった。「電信をうけとり、心待ちにおったが、命令の事ゆえ会うことは出来ない」という文面に無念さがにじむ。 「再三再四申し上げているが、父上様はお前に頼むぞ。子どもは申すまでもなく十分に教育してくれ」と家族の幸せを託し「任地に無事行くことが出来ても、便りは当分出さぬから承知願う。皇国に捧し体だ、俺の事を心配せずに活躍を祈る。頼んだぞ」と締めくくっている。 父親は3月18日、宮古島に向かう沖縄付近の海上で攻撃を受け、戦死した。「どんな心境で書いたのか。文面に生きては帰れないという覚悟を感じます。その通り、手紙が“遺書”になってしまった」と女性。 父親の死後、母親は女手一つで4人を育てた。厳しく「人様に後ろ指をさされることをするな」が口ぐせ。「大変だろうと子ども心に思ったことや、再婚話を陰で聞いたのを覚えています。その話も断って、父の手紙の通り忠実に、立派に私達を育ててくれた」。目に涙を浮かべて回想する。 その母親も、20年ほど前に父親の下に旅立った。「今の世の中は幸せ過ぎます」と女性。父と母の悲しみや苦難、愛情をかみしめながら、毎日を過ごしている。 (浩)
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