戦争の体験を 語り継ぐ。(連載2:伝書鳩)

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戦争の体験を 語り継ぐ。(連載2:伝書鳩)

連載 語り継ぐ戦争 (4)

常呂から戦地へ…兵士の想い伝える

昭和48年9月、旧・常呂町が戦没者を合祀する「常呂町忠魂碑」再建を期して編さんした「鎮魂」を発行した。日清、日露の戦いから大東亜戦争まで179柱の英霊の氏名や写真のほか、戦地に向かう兵士から家族にあてた手紙なども記されている。

昭和48年発行「鎮魂」
「常呂町忠魂碑」再建を期して編さん
家族や妻への手紙など掲載

忠魂碑は大正10年に建立、その後、老朽化が進み、常呂町戦没者慰霊碑建設期成会によって昭和48年に建て替えられた。その完成に合わせ、建立の苦労や経緯、入魂式の様子などを記録した「鎮魂」が編さんされ現在、常呂図書館に所蔵されている。
「戦没者の扉」には英霊の顔写真と戦死した期日、戦地が記されている。大半が家族を持つ20~40代の働き盛りの人達。その目は何を見て何を語ろうとしているだろうか…。
「遺品の扉」には妻や家族にあてた手紙がつづられている。兵士が出陣に際し妻と母への別れを告げた文面。「育ての親、父上様は、お前に頼むぞ。子どもは申すまでもなく十分に教育してくれ。任地に無事、行くことができても便りは当分、出さぬから承知願う。頼んだぞ」「元気で出発致します。生か死か、わかりませんが、どうか父上様と、子どもらをお世話ください。どうか母上様も元気でお暮らしください」。その文面から漏れる思いは、もう取り戻せないと感じる家族との生活、自分がいないことでの心配、そして妻や母への感謝。
序文に「願わくば、後の時代まで、(忠魂碑が)ふたたび戦争の悲劇を起こさない証しとして、永く祀り伝えられることを祈念いたします」と記されている。 (澄)

連載 語り継ぐ戦争 (4) – 経済の伝書鳩
denshobato.com/BD/N/page.php?id=80399

連載 語り継ぐ戦争 (5)

両親の苦労伝える古びた証券

戦中、戦後の親の苦労が偲ばれます-。網走市の67歳男性は、両親が戦後、樺太(サハリン)から引き揚げた時に発行された証券を釧路税関支署網走出張所から返還された。「財産を持たず両親がどんな思いで戦後を生きたのか、薄茶けた紙切れを見るたび複雑な心境になります」

網走・67歳男性
樺太から引き揚げ時、強制的に発行
価値はなくとも両親の「生きた証」

男性は樺太生まれ。2歳の時に終戦を迎え、両親と一緒に北海道に引き揚げてきた。 当時の樺太はソ連軍の侵攻が止まらず、引き揚げ船にはみな、命からがら乗り込んだ。乗船時に持参した財産は、下船時に「引揚者が大量の紙幣などを持ち込むと急激なインフレを引き起こす恐れがある」との連合国軍総司令部(GHQ)の指示で強制的に没収。証券などが発行された。 幼かった男性に戦中、戦後の記憶はない。しかし、財産もなく、その後生まれた3人の子どもを含め、家族6人を養うため、船大工として必死に働いていた父親の背中は今でも思い出されるという。 父は平成19年に、母は23年に死去。昨年、母の一周忌を前に、同出張所が証券類を返還していることを知り、名乗り出た。 手元に戻った証券は3枚。「貯蓄債券7円50銭」などと書かれており、今となっては当時の価値はない。 男性は「価値はなくとも、証券は両親の『生きた証』。二度と日本が戦争を起こさないよう願いながら、仏前に供え手を合わせ続けたいです」と話している。 (玲)

連載 語り継ぐ戦争 (5) – 経済の伝書鳩
denshobato.com/BD/N/page.php?id=80497

関連サイト

常呂図書館 | 北見市
www.city.kitami.lg.jp/soshiki/tokorotosyokan/

北見市立常呂図書館トップページ | 北見市
www.city.kitami.lg.jp/docs/2011040300027/

関連エントリ

戦争の体験を 語り継ぐ。(連載1:伝書鳩)
masaokato.jp/2014/08/06/011609

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3 件のコメント

  1. 「語り継ぐ戦争」テーマにコーナー設置

    北見市立中央図書館で30日まで

    「語り継ぐ戦争」をテーマにした展示コーナーが、北見市立中央図書館に設けられている。30日まで。 長崎の原爆の様子を描いた絵画集「ヒロシマナガサキ原爆写真・絵画集成6ナガサキ」や戦場カメラマン「ロバート・キャパ」の伝記といった戦争に関するノンフィクション、写真集、小説など150冊を用意。 中でも司馬遼太郎の「坂の上の雲」、百田尚樹の「永遠の0」、横山秀夫の「出口のない海」など、戦争を題材にした小説の貸し出しが多い。 児童書展示コーナーは、17日まで北見市内の平和祈念展に合わせて実施している平和図書展。同時に30日まで「食べもの絵本」をテーマに展示している。 展示図書はそれぞれ随時貸し出している。 (菊)

    「語り継ぐ戦争」テーマにコーナー設置 – 経済の伝書鳩
    http://denshobato.com/BD/N/page.php?id=80504

    加藤 雅夫 より 2014 年 8 月 15 日 15:25

  2. 戦争を語り継ぐビデオは青少年にいい内容ですね。

    なりひら より 2014 年 8 月 15 日 19:46

  3. 私は言いたい

    終戦から69年…風化させないために

    太平洋戦争終戦から69年になります。戦争を体験した方々の高齢化に伴い、実際に戦争が起こった話を語り継ぐ人が少なくなっています。日本で唯一地上戦があった沖縄の惨劇、広島と長崎に落とされた原爆など、10年後、20年後に風化させないためにも、私達30代そしてもっと若い世代がしっかりと戦争のあったことを語り継いでいかなければなりません。 しかし語り継ぐと言っても、戦争を体験した方の話を聞くことは難しいです。学校で習うことは戦争のごく一部。特別攻撃隊の存在も忘れてはなりません。「特攻隊」は当時の10代や20代の若い兵隊が飛行機に爆弾を付け、敵の船に突っ込んでいく必死、必殺隊です。今とは違いますが、現在も海外では戦闘が続いています。皆さん、物価が高いとはいえ食糧も豊富な現代に感謝して生きてみませんか。 (北見市・30代女性)

    私は言いたい – 経済の伝書鳩
    http://denshobato.com/BD/N/page.php?id=80503

    加藤 雅夫 より 2014 年 8 月 16 日 12:55

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