網走市の社会保障費(介護保険篇) – 経済の伝書鳩(連載)
網走市(あばしりし)は、北海道オホーツク総合振興局管内にある市で、振興局所在地である。 日本の市町村をアルファベット順に並べると、当市 (Abashiri)が一番初めになる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/網走市
連載 網走市の社会保障費 (5)
介護保険編~その1
網走市の介護保険事業には一体、どれくらいの費用がかかっているのだろうか?。高齢社会の到来に伴い要介護認定者は増加し、そして介護保険事業費は膨らみ続ける。厳しいとされる市の財政。しかし、行政による介護事業は不可欠だ。社会保障費の一つ、「介護保険」について調べてみた。
膨らみ続ける事業費 市の負担3億円超えなお
網走市の介護保険事業費がいくらなのかを知っている一般市民は、それほど多くないと思う。実際、記者自身も今回の取材で改めて具体的に理解した。 介護保険制度は平成12年度に施行された。満40歳以上の市民が被保険者となり、65歳以上を「第1号被保険者」、40~65歳未満の医療保険加入者を「第2号被保険者」としている。 連載「介護保険編」では、平成24年度までの過去5年データを中心に紹介する。 網走市の介護給付費決算額を見てみる。24年度の決算額は25億1118万9千円で、このうち網走市の負担額は3億2594万5千円だった。20年度の負担額は2億5632万5千円で、22年度から「3億円台」に突入。上昇し続ける市の高齢化率などを勘案すれば、市の負担額は今後数十年、大幅に減ることはないであろう。介護保険給付費は年々増加する一方なのである。 網走市の財政状況は厳しいとされる。市は平成27年度までの5カ年で27億円の収支不足を見込んでおり、膨れ上がる社会保障費の対応は喫緊、かつ重大な課題の一つである。 次回は、網走市の要介護認定者数や介護保険料基準額などを紹介する。 (大)
経済の伝書鳩(フリーペーパー) 2013/10/28掲載(網走市/本紙連載)
denshobato.com/BD/N/page.php?id=74026
連載 網走市の社会保障費 (6)
介護保険編~その2
介護保険の被保険者は基本的に、介護保険料を納めることが義務付けられている。納付額は、本人の収入や自治体で定める介護保険料基準額などによって算定される。基準額は、要介護認定者数や介護給付費などを踏まえ決定し、3年ごとに見直される。網走市において、基準額と要介護認定者は増え続けている。
増え続ける納付基準額と要介護認定者
介護保険事業を進める上で、自治体は介護保険事業計画を策定する。同計画は3年ごとに見直され、平成24年度からの3カ年は「第5期計画」となる。網走市も同様である。 介護保険被保険者に納付が義務付けられている介護保険料。サラリーマンである記者(45歳)の場合、毎月の給料から控除され納めている。 網走市の介護保険料基準額は、同計画第1期(12~14年)と第2期(15~17年)は3150円だった。第3期(18~20年)は3750円となり、その後「4千円台」へと突入する。 第4期(21~23年)は4150円。そして、現在の第5期(24~26年)は4710円である。ちなみに、第5期の全国平均は4972円、全道平均は4631円。この平均額だけで、網走市を「高い」「低い」と判断するのは軽率過ぎる。 次に要介護認定者数を見てみる。 25年度は9月末現在で1734人となっており、年度内にさらに増えることはほぼ確実だ。13年度は1040人で、その数は増加の一途をたどっている。 過去の関連データには、高齢者に占める認定者の割合が同保険制度施行からさほど変わっていないなど、興味深い数字がいくつかある。 (大)
経済の伝書鳩(フリーペーパー) 2013/10/29掲載(網走市/本紙連載)
denshobato.com/BD/N/page.php?id=74059
連載 網走市の社会保障費 (7)
介護保険編~その3
網走市の介護保険事業にかかる費用は、平成24年度で約25億円(介護給付費決算額)。決して少額ではない。網走市全体の高齢者(65歳以上)中で、要介護認定を受けた高齢者が占める割合は、24年度までの過去5年間ほぼ同じ。この割合を減らすことは、厳しいとされる市の財政を健全化させる上でも重要となる。
介護予防意識にかかる まちの健康維持
これまでの「介護保険編」でも書いてきたが、市の介護保険事業費は膨れ上がる一方だ。市の財政健全化計画では、27年度までの5カ年で27億円の収支不足を見込んでいる。社会保障費はますます、厳しいとされる財政を圧迫すると考えられる。 介護保険事業費を抑えるにはまず、市民が要介護状態になることをいかに防ぐかが重要だ。 網走市においての要介護認定者は、介護保険制度が始まった平成12年度以降、増え続けている(表参照)。 要介護認定者のうちの9割以上が、65歳以上の「第1号被保険者」である。ちなみに24年度は、97%が「第1号被保険者」だった。 次に、市全体の高齢者人口に対して、要介護認定を受けた高齢者が占める割合を見てみる。24年度までの過去5年はほぼ変わらず、「17.5%」前後で推移している。 このデータからは、市全体の高齢者が増えれば、要介護認定者も増える-という現状がうかがえる。 核家族化などが進む社会で、介護保険制度は必要だ。ただ、その制度を維持する財源が乏しくなっており、国は制度の大幅な見直しを本格化させている。 財政が厳しいとされる網走市において、市民には「介護予防」の大切さをさらに意識することが求められる。要介護認定者は今後数十年は増え続けるはずで、「自分の健康を維持する」ことは「まちの健康も維持する」ことにもつながるはずだ。 次回は、市の介護予防事業などを紹介する。 (大)
経済の伝書鳩(フリーペーパー) 2013/10/31掲載(網走市/本紙連載)
denshobato.com/BD/N/page.php?id=74097
連載 網走市の社会保障費 (8)
介護保険編~完
膨れ上がる網走市の介護保険事業費を抑えるには、市民が要介護状態になることをいかに防ぐかが重要だ。網走市の介護予防事業メニューは豊富だ。高齢者が増え続ける網走市において、介護予防に対する市民の意識がさらに高まることに期待したい。
豊富な予防事業メニュー 積極参加を呼びかけ
介護保険制度が施行された当時(平成12年)、各自治体の大半は制度の運用や市民周知などに力を注いだ。一方、網走市は「介護予防」も重視し、同制度導入と同時に介護予防策に着手。いわば、網走市は介護予防の先進地でもある。 「らくらく健康トレーニング」「いきいき教室」-。市の介護予防事業の一部で、転倒による骨折を防ぐための筋力トレーニングなどを通じて要介護状態になるのを防ぐ狙いだ。 12年度スタートの「高齢者ふれあい支援事業」。市民ボランティアが運営する「ふれあいの家」を各地域に開設(現在13カ所)し、週1回、近所のお年寄りを招きミニゲームなどを楽しむ。引きこもりの防止などにも役立っている。 介護予防は高齢者に限らない。40歳以上を対象にした「フィットネス教室」は、筋力トレーニングやバランス訓練などを通じて日常生活における運動の習慣化につなげている。
市の介護予防事業は、毎月全戸配布する冊子「広報あばしり」やホームページなどを通じて周知している。今以上、市民の積極参加に期待したい。 「究極の介護予防は、子どもの元気づくりである」-。先日、来網した日体大総合研究所長の武藤芳照氏の言葉である。 その意味は広く、深いと思うが、網走市には、若い世代も「介護」や「介護予防」「生活習慣病」について学べる機会を増やしてくれることを望みたい。 (大)
経済の伝書鳩(フリーペーパー) 2013/11/01掲載(網走市/本紙連載)
denshobato.com/BD/N/page.php?id=74144
関連サイト
網走市公式サイト – 豊かなオホーツクに活気みなぎるまち
www.city.abashiri.hokkaido.jp
関連エントリー
大切なあなたへの社会福祉 – 美幌音楽人 加藤雅夫
masaokato.jp/2013/08/06/082841
介護保険 の検索結果 – 美幌音楽人 加藤雅夫
masaokato.jp/?s=介護保険
生活習慣病 の検索結果 – 美幌音楽人 加藤雅夫
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高齢者ふれあいの家…
13カ所の半数 担い手不足
網走市の市民活動センターは、市内13カ所にある「高齢者ふれあいの家」の運営を支える市民ボランティアの担い手調査を実施した。同センターによる、こうした調査は初めて。各地域にある「-ふれあいの家」の半数ほどが、ボランティア不足ということが分かった。
網走市の市民活動センターが聞き取り調査で
市民による介護予防事業
ボランティア活動に協力を
市の介護予防事業「-ふれあいの家」は、各地域のコミセンなどに活動場所を開設し、付近に住むお年寄りがミニゲームや軽体操、おしゃべりなどを楽しむ。運営は、市民からなる地域のボランティア団体が担う。 調査は、第1号のふれあいの家が開設されてから10年以上が経過し、「ボランティア不足」などとの声が寄せられるようになったことから実施。担当者が各地域のふれあいの家に出向き、代表者らに聞き取り調査した。 調査結果からは13カ所のふれあいの家のうち、7カ所から「市民ボランティアが足りない」という課題を挙げていることが分かった。中には運営そのものが厳しい状況になっているケースもあった。 同センターはこうした実態を踏まえ、9日に市内で開催する「つながろう講座」などを通じ、ボランティア活動に協力してくれよう呼びかける考えだ。
第1号「-ふれあいの家」は平成12年に開設した。市は19年度まで毎年、1~3カ所ペースで増やしていった。 市民による、市民のための介護予防事業の効果は高く、今後も不可欠な存在である。お年寄りの引きこもり防止などにも役立ち、利用者の評判は上々だ。 その一方で、数年前からは「ボランティアの高齢化」という問題が浮上。80代の市民がボランティア活動に精を出しているというケースもある。 ふれあいの家の喫緊の課題は、担い手不足に尽きる。早急の対応策が求められている。 (大)
経済の伝書鳩(フリーペーパー) 2013/11/02掲載(網走市/社会)
http://denshobato.com/BD/N/page.php?id=74164
加藤 雅夫 より 2013 年 11 月 4 日 00:39
高齢者等除雪サービス事業
町内会に「積極利用を」
ここ数年、網走市においても大雪により市民生活に支障をきたすケースが増えてきた。冬将軍の到来を控え、網走市は高齢者らを町内会が支援する「高齢者等除雪サービス事業」の積極利用を呼びかける。同サービスはスタートから10年目を迎えたが、受託する町内会はさほど増えていないのが現状だ。
網走市の支援事業10年目迎え
「町内会受託による高齢者住宅等の除雪事業」は平成16年度に創設。その前年の大雪被害などを受け、市民パワーを活用した、高齢者や重度身体障がい者世帯の新たな除雪支援策として誕生した。 同事業は、市から除雪作業を受託した町内会が、同じ町内会に住むお年寄り(65歳以上)や重度身体障がい者世帯の除雪を支援する。 町内会に除雪を依頼した利用者には、作業1回につき50円を負担してもらう。一方、町内会への委託料は、作業(居住者の安否確認も含む)1件につき千円となっている。 24年度までの実績をみると、事業創設時の受託町内会は3つ。その後、少しずつ増えるものの23年度以降は8町内会にとどまっている。事業の利用世帯は、21年度から「20世帯」台となり、24年度は最も多い29世帯だった。 大雪が降った際、最低限の市民生活を守るためには行政によるサポートが欠かせない。ただ、高齢世帯が増え続ける中、社会的弱者をきめ細かく支援するには市民パワーが不可欠となっている。 市は、本格的な高齢化・核家族化時代に入ったことを踏まえた上で、町内会に同事業の積極利用を呼びかけている。 問い合わせは市高齢者福祉係(TEL 0152-44-6111内線288)へ。 (大)
経済の伝書鳩(フリーペーパー) 2013/11/04掲載(網走市/社会)
http://denshobato.com/BD/N/page.php?id=74181
加藤 雅夫 より 2013 年 11 月 4 日 15:37