My タウン びほろ 「網走よもやまばなし」

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2月末に、女満別空港で、日本で活躍する中国人ジャーナリストで作家の莫邦富(モーパンフ)=(56)=氏に会って話をする機会がありました。(北海道新聞網走支局長・本村龍生)
 「北海道観光は他力本願。何を努力しましたか。中国人誘致ブームは一過性で終わってしまうよ」と、流ちょうな日本語で鋭い批判が飛び出しました。

 莫さんは道東を何度か訪れており、今回は北海道を舞台にした中国のヒット映画「非誠勿優」(日本題「狙った恋の落とし方」)のロケ地と、近年急増する中国からの道東観光の現状を取材するため、網走、知床を1泊2日で訪れたものです。 上海生まれで、日本語はぺらぺら。東京に個人事務所を構え、テレビや新聞などても活躍しています。『新華僑』、『鯛と羊』など話題の本もたくさん書いています。 意外な話ですが、美幌峠を舞台にした菊田一夫の「君の名は」を中国語に翻訳し、小説「請問芳名」と映画台本を書いていますので、美幌の町とも縁のある人です。ご存じの方もいるでしょう。

 世界不況の中で8%の経済成長を達成する中国の消費力は魅力です。日本を訪れた中国人観光も100万人になりました。映画「非誠勿優」の効果もあって、道東の人気も高く、昨年は70%近くも観光客が増えました。 これを受けて、女満別空港にはこの2月に広州・マカオを結ぶ国際チャーター便が飛び、網走市は副市長を団長、観光誘致団を派遣しました。さぞ映画の効果が出ているのだろうと、話を続けていたら、「それではだめ」と莫さんは言うのです。

 「流氷砕氷観測船『おーろら』に乗ったら、中国語の案内書がなかった。足元をきちんと準備しないと」と辛口の評価でした。「沿海都市の上海や広州を狙っても、世界の競争が激しいですよ。道産品を買ったり、北海道を訪れる人の歩留まりはわずか」。俗に言われる富裕層を狙ったマーケットは幻ーとの持論を展開。「それより所得が伸び始めた内陸地方に狙いを絞って戦略的なプロモーションをかけるべきだ」と言います。

日本政府は成長戦略の柱の一つに観光を据えており、2016年に中国人客を600万人と6倍増を見込んでいます。カギを握るのは、中国なのです。「富裕層で毎年6倍増は現実的ではない」という見立てです。「修学旅行が有望。それに受入れ態勢を整えておくべきです」と提言しています。

美幌峠の絶景は大好きという莫さん。今回お目当ての知床は、流氷があいにくの南風で沖に遠ざかり、「流氷ウォーク」の体験ができなかったそうですが、世界遺産の森を3時間余りもカンジキをはいて散策し、すっかり気に入っていました。 自分のブログや、出演するテレビなどで、冬の北海道をどのようにPRしてくれるのでしょうか。(北海道新聞網走支局長・本村龍生)

※ 上記は、北海道新聞安藤販売所の発行「My タウン びほろ」に掲載された記事「網走よもやまばなし」です。執筆は、北海道新聞網走支局長の本村龍生さん。(平成22年2月28日付)
 「My タウン びほろ」発行: 北海道新聞 安藤販売所
 美幌町仲町1丁目33-13  TEL 0152-73-2727 FAX 0152-72-4755

 
※ 莫邦富が北海道旅行を語る
 http://lsi-web.com/archives/1799152.html

※ 中国映画の関連記事

道東・オホーツクがロケ地!中国映画「非誠勿擾」 – オホーツク発掘ブログ

みどころ シネマ映画ロケ地 – あばぶろ

 
※ 莫邦富(モー・バンフ)氏の関連エントリー

莫邦富「請問芳名」 「君の名は」美幌町

莫邦富さん / 北海道 2010

2010年2月、中国映画「狙った恋の落とし方。」日本公開

加藤 雅夫 (bihorokato) on Twitter

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12 件のコメント

  1. 日本で活躍する中国人ジャーナリスト・作家の莫邦富(モー・バンフ)さんのメールです。(2010年2月23日)

    From 莫邦富
    To 北海道・美幌町 加藤雅夫

    一度お会いしたいと思っています(莫邦富)
    加藤様
     今日、北海道取材に行きます。そちらの近くにもよります。
    もし時間がありましたら、一度お会いしたいと思っています。
    私の受け入れ先やスケジュールなどの情報については
    添付ファイルをご覧になってください。
    よろしくお願いします。

    莫邦富事務所
     莫邦富
     〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-6-5
     大場ビル4F
     TEL 03-3295-0307
     FAX 03-3295-0344
     HP:http://www.mo-office.jp/

    加藤 雅夫 より 2010 年 3 月 4 日 10:32

  2. 日本で活躍する中国人ジャーナリスト・作家の莫邦富(モー・バンフ)さんのメールです。(2010年2月26日)

    From 莫邦富
    To 北海道・美幌町 加藤雅夫

    お顔を拝見できたことに感激しています(莫邦富)
    加藤様
     先日、女満別空港であわただしくお会いしましたが、お顔を拝見できたことに感激しています。これからもお元気に引き続き北海道に、美幌峠に関する情報をどんどん発信してください。いつかはまた北海道のどこかでお会いするでしょうが、よろしくお願いします。

    莫邦富事務所
     莫邦富
     〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-6-5
     大場ビル4F
     TEL 03-3295-0307
     FAX 03-3295-0344
     HP:http://www.mo-office.jp/

    ※ 新しい友人・莫邦富さんへ: 北海道の女満別空港でお会いできたことは大変に光栄で嬉しく思います。今度お会いするときは、旧友(老朋友)として心より歓迎いたします。健康ご留意、がんばれ!(加油!) 美幌吉他手・加藤雅夫

    加藤 雅夫 より 2010 年 3 月 4 日 10:34

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    本村龍生(北海道新聞網走支局長)さん: 日本各地で活躍されている中国人ジャーナリスト・作家の莫邦富さんの取材記事「網走よもやまばなし」(四方山話)を拙サイトに掲載させていただきましたこと本当にありがとうございます。

    他山之石: 北海道の豊かで美しい自然と人間を心から愛されている莫邦富さんの率直で的を射た提言は「他山の石」としたいものです。

    朋遠方来: 今日、莫邦富さんからお礼と感謝のメールが届きました。本村龍生さんに宜しくお伝えくたさいと書かれてあります。莫邦富さんとの再会が楽しみですね。「朋あり遠方より来る、また楽しからずや」 (学びて時にこれを習う) 美幌音楽人 加藤雅夫

    加藤 雅夫 より 2010 年 3 月 4 日 22:59

  4. 莫邦富さんのお話では、中国人の北海道観光で今後有望なのは、富裕層よりも「修学旅行」とありましたが、中国でも修学旅行があることを初めて知りました。
    どのくらいの年代(学年)の人が日本に修学旅行にくるのでしょうか。
    中国の方たちを気持ちよく、快く受け入れるために勉強したいとおもっています。

    山本孝一 より 2010 年 3 月 5 日 15:20

  5. 辛口…ですが、本当の事ですね…
    莫邦富さん、本当に北海道が好きなんでしょうね!

    やーうぇん より 2010 年 3 月 5 日 15:23

  6. 山本孝一さま: 心温まる初コメントありがとうございます。
    中国からの修学旅行は、年々発展しています。
    日中両国の観光局や旅行業界が本格的に始動しております。
    地域の特色ある受入れ態勢を築くことが大事です。
    日本から中国へ「修学旅行」はもっと大事です。
    日中相互交流が一番たいせつですね。

    ※ 日本政府観光局(JNTA)、観光庁
    ※ 中国国家観光局(東京)

    加藤 雅夫 より 2010 年 3 月 5 日 18:55

  7. 北京の日本語学校・やーうぇん先生: 毎度…的を射たコメント…ありがとう!
    NHK教育テレビ中国語講座「莫邦富コメント」で学習していた やーうぇんさんが北京の日本語学校で活躍していることは 莫邦富さんも喜んでいることと思います。

    北京の日本語学校のみなさま、修学旅行は北海道の美幌町に是非いらっしてください!! 我家で「民泊」も楽しいですよ。

    加藤 雅夫 より 2010 年 3 月 5 日 18:56

  8. From 莫邦富

    各位
     先日、ご案内いたしましたTBSラジオの「嶌信彦さんのエネルギッシュ・トーク」第2話です。私と日本語との出会いについての内容です。

     http://www.tbs.co.jp/radio/format/shima.html
     (放送後1週間のみの配信です)
    作家でジャーナリストの莫邦富さんをお迎えしての二夜目。上海の大学を卒業後、日本へ来ての留学生活や、ベストセラーになった「新華僑」や「蛇頭」などを取材するようになった経緯などについて聴いた。

    なお、第2話を聞き終わった後、「以前の再生リストを再生」という表示をクリックすると1夜目の放送内容を聞けます。内容は、文化大革命中の「下放」体験です。

    よろしくお願いします。
    莫邦富

    加藤 雅夫 より 2010 年 3 月 5 日 19:11

  9. これからの世界経済は、もう中国の存在抜きには語れませんね。私の属する会社でも、日本の理工系大学だけでなく、中国、インドの理工系大学から定期採用を始めています。人材はかなり優秀です。彼らをきちんと活用できるかが会社に問われています。
    観光も、魅力的なプランを用意して、中国の方に行ってみたいと思わるような仕掛けが必要でしょうね。先日、京都の清水寺に行ったら、中国人の団体客が大勢来られていて、ここはどこの国だと、一瞬目まいを覚えました。

    なりひら より 2010 年 3 月 6 日 18:26

  10. 道東オホーツク観光の玄関口の女満別空港でも中国人の団体客が大勢こられます。お土産品売り場の店員は「ニイハオ!謝謝!」と接客に一所懸命です。

    店員に「今の言葉は、台湾からの観光客ですよ」と言うと、
    店員は「え~っ、どうしてわかるのですか?」と驚きます。
    わたしは「台湾人です」と答えると、
    店員は「ギターの加藤さんはインド人ですね」と言われます。
    (中国語の方言と繁体字・簡体字は少しだけ学習しました)

    日中関係は経済と観光だけでなく福祉関係の交流発展を希望します。(東南アジアおよび中国から優秀な看護師と介護福祉士やホームヘルパーが我家を訪問してほしいです)

    加藤 雅夫 より 2010 年 3 月 6 日 21:13

  11. From 莫邦富

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    香港の新聞「新報」に掲載されました。

    各位 お世話になっています。ご連絡が遅れてしまい、申し訳ございません。この間の北海道訪問に関する報道の一部は香港の新聞「新報」に掲載されました。

    PDFファイルを添付ファイルにてお送りいたします。ご査収のほどよろしくお願いします。

    莫邦富
    莫邦富事務所
     〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-6-5 大場ビル4F
     TEL 03-3295-0307 FAX 03-3295-0344
     HP:http://www.mo-office.jp/

    加藤 雅夫 より 2010 年 3 月 9 日 13:06

  12. From 莫邦富 To 加藤雅夫
    2010年3月31日
    北海道網走を取材した記事が香港の「新報」に掲載しました

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    2010.03.31.png

    関係者各位

     平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

    北海道網走と知床を取材した記事が香港の「新報」に掲載しました。

    2回に分けてそのPDF版をお送りします。

    ご査収ください。

    莫邦富事務所 莫邦富
    〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-6-5 大場ビル4F
    TEL 03-3295-0307 FAX 03-3295-0344
    HP:http://www.mo-office.jp/

    加藤 雅夫 より 2010 年 3 月 31 日 15:34

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