JMTSP アメリカ音楽療法だより 9月
JMTSPは、世界各国で音楽療法を勉強、または実践している日本人学生と音楽療法士、また世界の音楽療法に興味を持つ方々の情報交換場所として設立されました。 現在のところ、主な活動はメーリングリストを通して行っています。
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★☆ 伊賀音楽療法研究会メールマガジン9月号(No.98) ☆★
[世界音楽療法情報] JMTSPアメリカ音楽療法だより(45)
9月を担当しているローズ 亜紀です。
私は日本で高校を卒業し、WestTexas A&M Universityで、行動療法中心の音楽療法を学び、インターンシップはニューヨーク州にあるCenter for Discoveryというノードフ中心の音楽療法を実践し、2001年に卒業しました。現在は、Hays ConsolidatedIndependent School Districtという、テキサス州都オースティンの南にある学区で特別支援学級を中心に音楽療法士として働いています。
8月末から新年度が始まり、今年は約30クラス担当なのでスケジュールを組むのに大忙しです。クラスはPPCDという3歳から5歳までの何らかの障害や遅れのある子どもたちのクラスから、小中高の自閉症の子どもたちの学級、高校終了後から22歳までのI CANというクラスもあり、多種多様にとんだセッションをしています。
学校での音楽療法は生徒個人に対し学校教育を受ける上で必要とされていないと認められない部分もあるので、できることが制限される部分もありますが、各クラス、1週間に一度30分のセッションだけなので、生徒一人ひとり、全力で向き合い接するようにしています。
今回は、何について書こうかと悩みましたが、今年の夏に日本に行って音楽療法の状況を調べたときの事を書こうと思います。
私は学校で働いているということもあり、ここ数年は2ヵ月半の夏休みを利用して日本に帰国しています。出身は埼玉県川越市ですが、両親が茨城県鹿嶋市にいることもあり、滞在中は川越と鹿嶋を行ったり来たりしてます。
今回はAMTAや、Remo社などから、日本での音楽療法の現状を報告する代わりに寄付された物を預かっていたこともあり、病院や施設など訪問したりと、あっという間に時間が経ってしまいました。私一人で、日本全国の音楽療法の現状を調べるのには限界があるので、今回は東京近郊の音楽療法士の方々や長野で音楽療法の活動をされてる方々、日本音楽療法学会の方たちに協力していただきました。結論から言うと、とても大変だけれど、皆さん揃ってこれからが日本の音楽療法が本格的に浸透していく時期に来ていると言っていました。音楽療法の国家資格化の問題や、学会内の派閥、いろいろな問題は山積みにあるようですが、個人個人地道に音楽療法をしていくことによってより多くの人たちに接し、体験、実感してもらっていく事が大切だとも仰ってました。
確かに、日本特有のというか文化があって、新しいことがブームとして騒がれても、長期に渡って残っていくのには難しい現状もあるなか、音楽療法がマスコミに取り上げられたり、音楽療法を取り入れる施設が少しずつ増えてるのは確かみたいです。しかしながら、まだまだ音楽療法が認められにくい、いくつかの理由の1つとしては、ボランティアを続けて独自に勉強して音楽療法士の認定を受けられた方たちが多く存在し、しっかりした理論を把握した上で音楽を使って療法行為行っている人が少なかったりした事が、挙げられるようです。皆さんはどう思いますか?
就職先が少ない現実もあり、音楽療法離れになってしまっているところも一部あるようです。でも、個人個人では皆さんいろいろ日本の音楽療法の現状を改善しようと個人レベルやNPO団体などを立ち上げ日々努力を続けている方たちも沢山いるようです。
日本の音楽療法学会はアメリカの音楽療法協会のようには機能していませんが、何か日本独特の、日本のシステムにあった音楽療法が確立されればとも思いました。外国のシステムを参考にするのもいいと思いますがやはり、日本にあった、日本の社会に適用したやり方、方法を見つけていくことが、音楽療法繁栄の鍵になっているようにも思えました。
音楽療法の資格がある人もない人も音楽で人の心に触れ、成果をだしている人たちに出会えて、今回はとてもいい経験をさせていただきました。でも、どんなに素晴らしい事をしていても、その国の風習、文化、構造、社会的価値観に対応しないと、なかなか先へは進めないという現実を間の当たりにした様にも思えます。これは、私のとても主観的な意見なので、一概には言えないこともありますが、今回の私が調査できた範囲内で私が受けた印象です。これを機会に皆さんの率直な意見をぜひ、聞きたいと思っています。意見、感想、何でも教えていただけたらありがたいです。
今回はこの辺で。 読んでくださってありがとうございます。
ローズ 亜紀
aki8rose@yahoo.com★☆ 伊賀音楽療法研究会メールマガジン9月号(No.98) ☆★
[日本音楽療法情報]
◎ミュージックケア/第1回なごや体験セミナー
◎音楽療法・特別支援教育実践者のための演劇的発想のススメ
◎ライブスペースへのお誘い(村井楽器伊勢店)[編集後記] 編集長が9月9日~10日にかけて出張していたことと、アメリカからの原稿が、時差の関係で8日までに届かなかったため、発行が遅れましたことをお詫びいたします。奇しくも、日本音楽療法学会の学術大会が愛媛県松山市で開催されていますが、今回のアメリカからのローズ 亜紀さんのレポートは、日本の音楽療法の現状を客観的に考察してくれているように思います。日本における音楽療法は、日本の風習、文化、構造、社会的価値観に対応した特有のシステムを構築していく必要があるのかも知れません。国家資格化や医療点数化といった目先のシステムではなく、日本型の音楽療法を体系化することが求められているような気がします。さてさて、今回の学会では、どのような方向性が示されたのでしょうか?
[伊賀音楽療法研究会メールマガジン]このメルマガは、毎月1回以上発行する予定です。ご意見ご感想は、hanzou@lilac.ocn.ne.jp まで。セミナー・講習会情報など、音楽療法に関する情報をお寄せください。
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音楽療法:音楽療法(おんがくりょうほう Music therapy)は、音楽を聞いたり演奏したりする際の生理的・心理的・社会的な効果を応用して、心身の健康の回復、向上をはかる行為。歌唱や演奏を行う能動的音楽療法と音楽を聴くなどの受動的音楽療法の2つに分かれる。現在は、各地で高齢者ケア、引きこもり児童のケアなどの現場で活発に活動が展開されており、岐阜県音楽療法研究所を嚆矢として自治体、大学でそのための研修、研究機関を設けるところも出てきた。公的機関の認定として奈良市・岐阜県・兵庫県が独自の市及び県認定音楽療法士という資格を出している。現在の主流は日本音楽療法学会認定の音楽療法士(MT、Music Therapist)という資格である。対象は、高齢者、発達障害者、身体障害者、不登校児、幼児、薬物乱用者、高次脳機能障害者、他。(Wikipedia)
World Federation of Music Therapy (WFMT Website) 世界音楽療法連盟ウェブサイト http://www.musictherapyworld.de/
American Music Therapy Association (AMTA Website) アメリカ音楽療法学会ウェブサイト http://www.musictherapy.org/
Canadian Association for Music Therapy (CAMT Home) カナダ音楽療法学会ホームページ http://www.musictherapy.ca/
Japanese Music Therapy Association (JMTA Website) 日本音楽療法学会ウェブサイト http://www.jmta.jp/
Japanese Music Therapy Association, Hokkaido (JMTA – Hokkaido)日本音楽療法学会 北海道支部ウェブサイト http://www.k3.dion.ne.jp/~jmta-h/index.html
音楽療法 音楽療法とはいったいどんなものなのか、音楽療法の効果を歴史や役割、活用方法などの観点から解説しています。http://www.daisakukawahara.net/
音楽療法ガイド http://ogkr.net/
音楽療法を学べる大学 http://www.kunitachi-gakki.co.jp/school/singaku_001.html
音楽療法士への道 http://ongaku.hirakukokoro.net/
心の糧に – 美幌音楽人 加藤雅夫 http://masaokato.jp/link
- 一つ新しい記事: 北京日本人学術交流会 山口直樹「京論壇2009」News
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JMTSP関連エントリー
・ 2010年 アメリカ音楽療法だより (2010年1月26日付)
http://masaokato.jp/2010/01/26/164813
・ 加藤 雅夫(biorokato) on Twitter
http://twitter.com/bihorokato
加藤 雅夫 より 2010 年 1 月 27 日 21:16