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リハビリテーションの現場から、「廃用症候群」、「神経難病」

リハビリテーションの現場から、「廃用症候群」、「神経難病」

2014年03月17日(月) 6:14
カテゴリ: Facebook, Twitter, オホーツク, 健康・福祉, 北海道, 北見市, 網走市
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廃用症候群
廃用症候群（はいようしょうこうぐん、英: disuse syndrome）とは、安静状態が長期に渡って続く事によって起こる、さまざまな心身の機能低下等を指す。生活不活発病とも呼ばれる。特に病床で寝たきり状態でいることによって起こる症状が多い。（wiki/廃用症候群）

知ってもらいたい作業療法士の仕事

リハビリテーションの現場から～
(6) 廃用症候群

今回から2回にわたり、北海道作業療法士会網走支部保険部長でオホーツク勤医協北見病院リハビリ科技師長の男性（31）に話を聞きます。テーマは「廃用症候群」および「神経難病」における作業療法。難しいテーマではありますが、にこやかに説明してくださる柔和な様子がきっと、日々患者さん達を勇気づけているんだと実感させられます。

北海道作業療法士会網走支部　保険部長　男性（オホーツク勤医協北見病院）
不活発な生活による心身の機能低下
日常生活動作の再獲得へアプローチ

男性によると、「廃用症候群」とは、日常の不活発な生活や病気などによって、安静状態が長期にわたって続くことによる、さまざまな心身の機能低下のことをいいます。

例えば、病気治療に安静が大事な場合はありますが、必要以上に安静の度合いが過ぎて動かなければ、筋力や関節だけでなく種々の臓器に影響を及ぼします。さらに、刺激が少なくなることで精神面でもマイナスの影響を及ぼし、悪循環です。

具体的には、筋力の低下、関節が硬くなる、床ずれができてしまう、血圧がうまくコントロールできなくなるといったことや、意欲の低下、認知機能の低下をきたしてしまったりもします。「作業療法では『廃用症候群』にならないための生活の指導や生きがいをもち、活発な生活を送るための提案を患者さんと一緒に考えていきます」

退院しても、寝室にとじこもりがちでは再び廃用症候群になってしまいます。

「体が“こわい”から起きたくない」。いったん起きたがらなくなったら、なかなか苦戦します。「意欲が低下した人に、いかに起きてもらえるか。活動性が上がるよう、しっかり話をして、本人の意思・意欲をきちんと評価すること」が第一。家族からも生活歴や興味のあることなどたくさんの情報を得て、より良いリハビリに結びつけ、人の話を聞き、次の改善につなげます。

男性にとってこれら人と人を結びつけるコミュニケーション能力は、北見緑陵高校時代に取り組んだ、吹奏楽部での部長としての活動に培われた素養もあるようです。

病気などにより、長く床に伏せる長期臥床（ちょうきがしょう）を余儀なくされた人の離床を促し、体力向上をめざすとともに食事や排泄といった日常生活動作の再獲得に向け、アプローチ。「いかにその人らしく生きられるか」。作業療法を通じ意欲や楽しみを引き出し、廃用症候群からの脱却を図ります。 (寒)

知ってもらいたい作業療法士の仕事 – 経済の伝書鳩
2014/03/08掲載（網走市／社会・本紙連載）
denshobato.com/BD/N/page.php?id=76969

知ってもらいたい作業療法士の仕事

リハビリテーションの現場から～
(7) 神経難病

神経難病とは、神経の病気の中で、はっきりした原因や治療法がないものをいいます。具体的には筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、パーキンソン病などがあります。

北海道作業療法士会網走支部保険部長
男性（オホーツク勤医協北見病院）
変わりゆく症状に合わせ、手段を提案
役に立つこと励みに患者と向き合う

作業療法士の男性は「これらは進行性の病気といわれ、体が動かしづらくなっていく病気です。しかし、リハビリテーションを実施することで、進行を遅らせたり、生活の質の向上を図ることができるといわれています」。

そして「その中で作業療法は、どうしたら食事や排泄、更衣、整容、入浴といった日常生活を円滑に行うことができるかを考えます」。体の使い方の指導のほか、使いやすい福祉用具の提案や人材など環境整備を含めて治療を進めます。変わりゆく患者の身体・精神状況に合わせ、手段を提案し、家族と一緒に考えアプローチします。

コミュニケーション能力を発揮し、患者一人ひとりの話を聞き、悩みや希望と実直に向き合う。また介護分野を含め情報を共有し、いかにチームとして患者を支えられるかという場面でも高校時代の部活で養われたリーダーシップが生かされる。

男性は先天的な目の病気を患い、高校の授業でもまぶしさや視力低下に苦労した経験をもつ。手術を経て「リハビリという仕事もある」ことを知り、この道を選んだ。

作業療法は「患者さんそれぞれと向き合う、奥の深い仕事」と男性。「大変だけれど、それだけにやりがいがある」と持ち前のチャレンジャー精神で日々活躍する。患者さんが笑顔で退院する際には、「頑張った甲斐があったかな」と喜び、人の役に立つことを励みに再び現場に立つ。 (寒)