JMTSP アメリカ音楽療法だより(87)

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根拠に基づいた医療 – Wikipedia
根拠に基づいた医療(EBM:evidence-based medicine)とは、「良心的に、明確に、分別を持って、最新最良の医学知見を用いる」(”conscientious, explicit, and judicious use of current best evidence”) 医療のあり方をさす。エビデンス(臨床結果)に基づく医療とも呼ぶ。

伊賀音楽療法研究会から世界音楽療法の最新情報が送られてきた。

伊賀音楽療法研究会メールマガジン6月号(No.143)

[世界音楽療法情報]
JMTSPアメリカ音楽療法だより(87)

 アメリカ合衆国カンザスシティー近辺で、音楽療法士として働いている中村紀子です。カンザス大学音楽療法学部を卒業し、全米認定音楽療法士として働き始めてから約10年になります。また仕事のかたわら、パートタイムで通っていた大学院の授業を終え、今は卒業論文の仕上げに取り組んでいるところです。自分の10年間にわたる音楽療法の実践、学会や講習会への出席、大学院での勉強を通して、多くの事を学びましたが、一番印象に残っているトピックは「音楽療法研究の重要さ」です。
 ところで、コックランレヴュー(Cochrane Reviews)というものをご存知ですか?これは、色々な薬や治療の効果を総括したウェブサイトです(The Cochrane Collaboration, 2013)。様々な病気や症状の為の音楽療法のレビューも含まれています。コックランレビュー(ウェブサイトは英語で書かれている。)を読むと、「多くの被験者を使った、無作為化比較試験(Randomized Controlled Trial-RCT)がもっと必要」という言葉をよく目にします。もちろんこれは、音楽療法だけに限った事ではありません。
 無作為化比較試験とは、その試験に該当する被験者を無作為に選び、彼らを少なくとも二つのグループ(治療群と対象群)に分けます。基本的に、同じ環境を被験者に与え、違いはその「治療介入と対象介入」だけという事です。薬の例を挙げてみると、治療群が「薬の入っている錠剤」をもらい、対象群が「何の薬も入っていない錠剤」をもらうという事です(Wikipedia, 2013)。音楽療法の例では、治療群が音楽療法に出席し、対象群が絵画クラスに出席する、などになります(音楽療法が参加に基づく治療介入であれば、対象群も参加に基づく何らかの介入であったほうが良い。)。
 しかし「無作為化比較試験を行ってください。」と言われても、そう簡単に出来るものではありません。このような試験を行うには、音楽療法士としてのスキルだけでなく、研究や統計学の知識、そして時間や費用など、様々な事が関連してきます。実際、私が大学院に通うと決めた理由は、ある日、働いている施設から「音楽療法の研究をしよう。」と言われ、それを実践する事に自信が無かったからです。学部時代に、必修のリサーチクラスをとって、簡単な試験を行った事がありましたが、統計学的に結果を分析した本格的な試験は行った経験がありませんでした。大学院では、経験豊かな教授から細かく研究について学び、クオリティーの高い研究を行う事の難しさを痛感しました。
 皆さんもご存知のように、日本で音楽療法士になる方法は幾つかあり、学んだ方法により、研究についての知識は異なると思います。もし、研究についてあまり習わなかったのであれば、研究者に連絡を取り、共同で研究を行う事が一番良いのでは?と感じます。または、研究の経験と知識のある同僚と一緒に実践する事も良いかもしれません。医学系の研究専門雑誌などを読むと、ほとんどの場合、論文の著者は一人でなく、複数またはそれ以上(時には、著者が7-8人など)というケースが多いです。
 そのような理由で、音楽療法士は「一人で研究しなければならない。」「私は研究に詳しくないから...」と思わなくてもよいのです。音楽療法臨床家と研究者がお互いの長所を活かし、音楽療法研究を一緒に実践していくべきではないでしょうか?もちろん、時間や研究費用など関連してきますが、まず第一歩は、臨床家と研究者が積極的に「音楽療法研究について会話をする」という事だと思います。なぜなら、研究を通して効果的な療法を見つけ、クライエントのお手伝いをする事が、私達の最も大切なゴールだからです。ご意見、ご感想お待ちしております。
メールアドレス:ksmomusictherapy@gmail.com
ウェブサイト:norikomtbc.com
参考文献:
The Cochrane Collaboration (2013). Cochrane Reviews. Retrieved April 29, 2013 from http://www.cochrane.org/cochrane-reviews
Wikipedia (2013). Randomized controlled trial. Retrieved April 29, 2013, from http://en.wikipedia.org/wiki/Randomized_controlled_trial

[編集後記]
 5月25日土曜、新入会員の説明会・入門講座を盛況のうちに開催することが出来ました。30名ほどの興味をお持ちになった方々と会員で、ハイトピア伊賀の研修室は満席でした。この中から何人が、私達の新しい仲間になってくれるのでしょうか?とても楽しみです。6月の養成講座(概論)もまだまだ受付中、お申込みをお待ちしています!(よ)

[伊賀音楽療法研究会メールマガジン]
このメルマガは、毎月1回以上発行する予定です。ご意見ご感想は、inui@hanzou.or.jp まで。セミナー・講習会情報など、音楽療法に関する情報をお寄せください。

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関連サイト

世界に羽ばたく音楽療法 | by 中村紀子(全米認定音楽療法士)
http://norikomtbc.com/

HANZOU-NET 伊賀市社会福祉協議会
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音楽療法士 の検索結果 – 美幌音楽人 加藤雅夫
http://masaokato.jp/?s=音楽療法士

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