Home
Twitter
ハワイの音楽療法視察ツアー

ハワイの音楽療法視察ツアー

2012年06月13日(水) 8:13
カテゴリ: Twitter, お知らせ, アジア, アメリカ, オセアニア, ギター, ハワイ, マンドリン, 健康・福祉, 国際, 地震, 日本, 環境, 観光, 音楽, 音楽療法
この記事へのコメントはまだありません。

音楽療法のニュースとブログ（Google 検索）

伊賀音楽療法研究会（三重県伊賀市）から「日本と世界の音楽療法情報」が送られてきました。

伊賀音楽療法研究会メールマガジン６月号(No.131)

[世界音楽療法情報]

ＪＭＴＳＰアメリカ音楽療法だより（７６）
　こんにちは。６月号を担当させていただく大竹孔三です。ハワイ州ホノルル市にあるSounding Joy Music Therapy, Inc.(以下Sounding Joy)という非営利団体に所属して今年で５年目になります。前回、投稿させていただいたときは、ハワイ州の補助金で行う音楽療法プログラムの内容について書かせていただきました。今回は、今年から始まったハワイ観光局の協力でスタートした音楽療法プロジェクトについて皆さんとシェアしたいと思います。
　Sounding Joyは今年で１０周年を迎え、現在２人のフルタイム、３人のパートタイムの音楽療法士が働いています。現在、幼児から高齢者まで約80人のクライアントに音楽療法を提供しています。今年の始めに、Sounding Joyではうれしいニュースが飛び込んできました。ハワイ州観光局に申請していた補助金が下りるとのことです。このプロジェクトはハワイ語で「カニカオリ」(直訳すると、「音を楽しもう」という意味)と名付けられ、その内容は、１ネイティブハワイアンの人たちに、ハワイアン音楽を使った音楽療法を提供する、２ハワイ州外から音楽療法科の大学生などに１の地域密着型の音楽療法の現場を見学する機会を提供する、３補助金がなくなっても１を継続できるよう、チャリティーコンサートを開いて資金を生み出し、その際、日本から特別な背景を持つミュージシャンを招く、１から３の様子をビデオ撮影し、このプロジェクトをより多くの人に知ってもらうドキュメンタリーを作成する、というものです。
　補助金のほとんどは１の音楽療法を提供するためにセラピストに支払われる報酬に当てられるので、今まで音楽療法を受けたくても受けられなかった人たち、オアフ島でも西のネイティブハワイアンの人たちが多く暮らすワイアナエ地域のホームレスシェルターが現場に決まりました。その地域では、ハワイアンの人たちを始め、ミクロネシア諸島から来た人も多く、子どもたちが片言の英語を話しているのをよく耳にします。彼らの多くは、家の軒先やビーチでウクレレやドラムを近所の人が弾いたり、歌を歌ったりしているのを聞いて育っているため、もともと音楽的センスが良い子どもたちが非常に多く、音楽療法を始めるとまたたくまにすごい音楽的テクニックを見せる子どもも珍しくありません。グループ音楽療法では、英語に自信がなく、その延長で友人関係もうまう築けなかった子どもが音楽を通して周りに認められ、自信を回復して行くのが印象的でした。音楽やダンスなど、彼らの得意な部分を伸ばしていくうちに、その他の苦手な分野（信頼関係を作ることや社会性）がだんだんと引き上げられていくというセラピー過程が多く見られました。
　２の学生への音楽療法視察の場を提供するといのは、音楽療法だけに限らず、教育学など人と関わる分野を専攻している州外の大学生たちに、地域密着型の音楽療法を見学していただきます。今年は日本の大学２校、音楽療法科と教育学部の学生、合計約２５名が１の現場、日系人も多く利用されている高齢者施設、その他学校や公民館などでの音楽療法を５泊７日くらいで見学に来られる予定です。セッションルームでの音楽療法ももちろんありますが、こちらからコミュニティーに出て行って音楽療法をする現場を見ると、ハワイのコミュニティーの中にどうやって音楽療法が入込みり、受け入れてられているかを肌で感じることができます。
　３のチャリティーコンサートは２つのコンサートシリーズで、まず１０周年記念コンサートは９月９日(土)に行われる予定です。Sounding Joyの活動に賛同してくださる地元のハワイアン・ミュージシャンや、日本からも阪神大震災で被災した経験を持つピアニスト、中村天平さんを招いて行われます。天平さんを始め、不思議と、今回集まったミュージシャンやこのイベントに関わる他の団体はそれぞれに日本の3.11の復興支援活動を行っており、Sounding Joyも寄付金の一部を音楽療法での被災者支援活動に充てているため、テーマの１つは被災地復興支援になりそうです。ここで集まった寄付金のほとんどは、もちろん１のプロジェクトに還元されますが、一部は今年から始まる福島県での長期的かつ定期的な音楽療法プログラムに充てられます。
　音楽療法と観光の融合は、ハワイという魅力的な土地柄を生かして、音楽療法と観光をはじめ、他の分野の職種、そこに関わる人々との新しい関係性を築くきっかけになっています。今年のプロジェクトの結果次第で、来年からも継続の可能性があるので、第一回目の今年は気が抜けない状況です。Sounding Joyでは、NPOという性質上、地域のニーズを探し、それを音楽療法で満たすことを目的としているので、クライアント対セラピストの関係性しか知らなかった私にとって、コミュニティーに出て行って現場を開拓したり（９人乗りの恐ろしく揺れるセスナ機に乗り込んでモロカイ島にサービスを紹介したこともありました）、企業にスポンサーをお願いしたり、慣れないことばかりで戸惑いましたが、本当に良い経験になりました。私は今年の９月には日本に帰ることになり、Sounding Joy JAPANという任意団体でこのプロジェクトを日本から支える予定です。日本からのハワイでの音楽療法視察ツアーに興味のある方は、yoshimiyasuda◎hotmail.comまで、お気軽にメールください。ハワイのSounding Joy のサイトwww.soundingjoymt.orgやwww.facebook.com/soundingjoymusictherapy で、これからプロジェクトの詳細についてもアップしていきます。また、記事の内容についてご感想や、ご意見を聞かせていただければ幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

[編集後記]
　２００１年７月１０日に創刊した伊賀音楽療法研究会メールマガジンも丸１１年が経過しました。三重の山奥からの情報発信ですが、中身はワールドワイドな海外からの音楽療法レポートを配信してきました。日本における音楽療法の萌芽期であった一時代に、わずかなりにも関与できたことを光栄に思います。海外で音楽療法に取り組んでいる方々も、日本に帰国して活動されることも増えてきました。これからは世界の中の日本の音楽療法という視点で、音楽療法に向き合っていかないといけないですね。

[伊賀音楽療法研究会メールマガジン]
このメルマガは、毎月１回以上発行する予定です。
ご意見ご感想は、inui◎hanzou.or.jp　まで。
セミナー・講習会情報など、音楽療法に関する情報をお寄せください。

伊賀音楽療法研究会メールマガジン編集室
〒518-0869
三重県伊賀市上野中町2976-1上野ふれあいプラザ３階
伊賀市社会福祉協議会
電話番号　0595-21-5866　ＦＡＸ番号　0595-26-0002
Eメール　inui◎hanzou.or.jp
http://www.hanzou.or.jp/music/top-page.htm

伊賀音楽療法研究会ホームページ
http://www.hanzou.or.jp/music/top-page.htm

コメントをどうぞ

お名前とメールアドレスは必ず入力してください。
(メールアドレスは管理者にのみ通知され、コメント一覧には表示されません)
いただいたコメントは管理者の承認が必要となる場合がありますのでご了承ください。

Home
Twitter
ハワイの音楽療法視察ツアー

このページの先頭へ戻る