音楽療法士への道を前向きに進んで行く

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JMTSPアメリカ音楽療法だより(63)のリポーターはニューヨーク州立大学フレドニア校で音楽療法を学んでいる岩田珠美さんです。(伊賀音楽療法研究会メールマガジン3月号)

音楽動画: 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の犠牲者に捧げる

弦楽のためのアダージョ(サミュエル・バーバー) 尾高忠明指揮 NHK交響楽団

伊賀音楽療法研究会メールマガジン3月号(No.116)

[世界音楽療法情報]
◎JMTSPアメリカ音楽療法だより(63)
はじめまして、こんにちは。今回のメルマガを担当させていただきます岩田珠美です。わたしはニューヨーク州立大学フレドニア校で音楽療法を学んでいます。まだまだ経験も知識も浅いので、音楽療法について何か書くってことになったときは本当に何を書こうか悩みました。悩んだ結果、前向きでなんでも受け入れられる心の大切さをテーマにしたいと思います。直接は音楽療法とは繋がってはいませんが、ポジティブと心の余裕について書かせていただきたいと思います。最近のわたしの体験でポジティブと心の広さは人の生き方を変えて、音楽療法士には欠かせないものだと実感しました。

わたしが前向きと広い心に特に気をつけるきっかけになったのは、去年の年末に日本の実家に久しぶりに帰って妹が私に“なんかネガティブなったね”と指摘されたときです。たしかに言われてみると、学校ではいつも宿題や練習やクラスなどいろんなことがありすぎて、常にどうしようどうしようとか、これでもいいのかなとか、マイナス思考ばっかりだったと気がつかされました。あまり睡眠時間が取れなくて機嫌の悪いときは友達に挨拶するのさえも面倒くさくなったり、笑顔も前に比べると少なくなったり、宿題が終わらせることができなかったりすると自己嫌悪になったりもしました。

そのままでいるのは嫌だったので、年明けとともに気持ちを入れ替えて、前向きにもっと笑顔を作ろうと思いました。なにかを特別にするというわけではないのですが、常にポジティブを意識してみたり、怒りたい気持ちを抑えたり、もっと物事を気楽にとらえるように心がけて生活するようにしてみました。もともと気楽な性格ですが、ときどき些細なことに神経質になったりしていて、そういうところも意識して直したいと思いました。

気持ちを入れ替えてからまだ2ヶ月くらいしか経っていませんが、少し変化が感じられました。まず、周りの人がなんとなくもっとフレンドリーに接してくれるようになったことです。先生も前よりもなんとなくもっと気にかけてくれるような気がします。たとえば、40分くらいのプレゼンテーションのビデオをクラスで見た後に、ちゃんと理解できたか聞いてくれたりしました。あと、わたしはボランティアで保育園の子どもと遊んでいるのですが、前よりもその子たちの目線で物事を見られたりできるようになったように思います。長いことやって慣れてきたから分かるようになったってことかもしれませんが、子どもと接するときに自分も子どもになったような感じでいたり、ありのままの子どもたちを受け入れられるようになりました。すると子どもたちももっと近づいてきてくれて、子どもといることが本当に楽しく感じました。そしてなによりも、自然に笑顔になるときが多くなった気がします。

気持ちの持ちようはいい音楽療法士になろうとして変えたことではないのですが、ふと考えたときにこれって音楽療法士になるときに大切なことなのじゃないかって思い始めました。このあいだの授業で、療法士になるための素質(人間性)について話し合いになり、ポジティブや人を受け入れられる素質などが話題になりました。わたしは“これだ!”って思い、うれしくなりました。たしかに私がいままで見てきた音楽療法士はみんな気持ちに余裕があり、どんな人でもその人を素直にそのまま受け入れられる人たちでした。こういうことって当たり前のような感じもしますが、誰もが簡単にできることではないと思います。

このあいだの音楽療法のセッションのときに自閉症の女の子がいつもより喚いて体をジタバタさせて、どうしようも手をつけられない光景を目の当たりにしました。そのときに私のスーパーバイザーがこんなことを言いました。“もし子どもと音楽療法をやるとしたら、遅かれ早かれこういう経験(ジタバタしてる子と接する経験)はするものなのよ。”

わたしはそのとき、不安という気持ちはなく、全然やっていけると思いました。今はまだ1人で対応するのは難しいですが、ありのままのその子を分かってあげて、人生に必要なスキルを養う助けをしたいって思えるようになりました。

わたしはまだ学生で、まだまだ音楽療法士になる道は長いですが、なんとなく一歩進めた気がしました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました! (岩田珠美)

 
[日本音楽療法情報]
◎ゼンオン(ゼンオン楽譜出版社)楽器紹介
全く新しいコミュニケーションツール
フレクトリックドラム(愛称:ふれあいどらむ)
「フレクトリック ドラムス」とは、自分以外の人の手を肌に触れることで、色々な音を鳴らすことができる電子楽器です。
※人と人とが触れ合って通電することにより音が鳴りますが、一般的な体脂肪計で流れる電流よりもさらに微弱な電流ですので、人体に全く影響はありません。
●フレクトリック=「触れる」「エレクトリック」を組み合わせた言葉です。「デジタル」ですが、「アナログ」な人と人との触れ合いが必要な楽器で、音を出していると必然的に他の人とのコミュニケーションが生まれます。
スキンシップで音の鳴る「フレクトリック ドラムス」は、新しいコミュニケーションツールとして大活躍です。
動画紹介ページ
http://freqtric-drums.jpn.org/menu2.html
コメント募集ページ
http://freqtric-drums.jpn.org/oubo.html

 
[編集後記]
今年7月5~9日、世界音楽療法大会が韓国・ソウルの淑明女子大学にて開催されます。火曜日から土曜と、お仕事の調整が難しい方も多いと思いますが、お隣韓国での開催ですので参加を考えておられる方も多いのではないでしょうか。アジア初ということで、世界の音楽療法研究や教育動向、最新の音楽療法臨床を学べる機会であり、世界の音楽療法士と交流できる貴重な経験ができる場となります。日本音楽療法学会会員の方は学会事務局がツアーを企画するそうですので、興味のある方は資料請求をしてみてはいかがでしょうか。
また、9月9~11日には、日本音楽療法学会富山学術大会が開催されます。こちらでは、日野原重明理事長が100歳を記念して基調講演をされる予定です。演題は「音楽療法によるいのちの癒しとその療法の普及~100歳の私が考えていること~」日野原先生の100歳を祝奉する記念大会は、数年前から定着してきたワークショップが4枠と、1日目の講習会ではスーパーバイズに焦点を当てた講座も企画されていて、盛りだくさんです。学習と交流・観光の計画が楽しみな春ですね。(よ)

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加藤 雅夫(Masao Kato)
@bihorokato 北海道美幌町(Bihoro, Hokkaido)
みなさま、イランカラプテ!日本と世界の人々と共に“平和心”を大切に育てる事が私の願いです。Guitar Mandolin Music 美幌音楽人
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1 件のコメント

  1. ドラえもん

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    障害があったらのりこえればいい!道をえらぶということは、かならずしも歩きやすい 安全な道をえらぶってことじゃないんだぞ。

    過ぎたことを悔やんでも、しょうがないじゃないか。目はどうして前についていると思う?前向きに進んでいくためだよ。

    ドラえもん (doraemon_meigen) on Twitter
    http://twitter.com/doraemon_meigen

    @bihorokato より 2011 年 3 月 16 日 01:40

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