北海道網走市のウミウ?カワウ?

北海道網走市のウミウ?カワウ?

関連記事

連載 カワウは悪者? ㊤ 2020/09/18掲載(網走市/社会・本誌連載) 網走で増加傾向 / 今年、網走市にある車両販売店の関係者らから、会社に駐車してある車への鳥の“糞被害”に悩んでいる-という声が本紙記者に寄せられた。実際、本紙網走支店の事務所駐車場の車も糞被害に何度も遭った。この現象をきっかけに調べてみると、カワウの存在が浮上した。網走市内でカワウは増えており、漁業被害も出ているようだ。(大)
“糞害”に憤慨「犯人は誰だ」 カワウの存在が浮上 近年は漁業被害も
■夕方の黒い鳥 「また、やられたよ。昨日、洗車したばかりなのに」。記者の知人男性は愛車をながめては、ため息をついた。記者は今夏、鳥の“糞被害”に嘆く市民の声をとても多く耳にした。実際、記者の自家用車もかなりの回数で糞を落とされた。本紙網走支店の事務所は市内大曲地区にある。近くには網走川、網走湖がある。記者は“糞被害”を機に、夕方になると網走支店事務所の上空を飛んでいく黒い鳥が気になり始めた。観察を続けると、黒い鳥はたいてい十数羽で編隊を組み、網走湖方面からオホーツク海方面へ飛んでいくことがわかった。鳥の姿からカラスではないことは確かだった。
■カワウ研究会 記者はまず、日本野鳥の会オホーツク会支部のメンバーでもある知人男性に事情を説明した上で、黒い鳥について聞いてみた。答えはすぐに見つかった。カワウであった。ただ、“糞被害”の犯人はカワウかどうかは判明しなかった。知人男性は、北海道カワウ研究会を紹介してくれた。さっそく、取材を開始した。
■道内で増加傾向 カワウの国内での繁殖地は青森県以南から九州とされる。しかし、同研究会によると、2000年代に入って初めて北海道で繁殖が確認され、「その後は道内各地に分布が広がり網走港の個体数も増えています」(同研究会メンバー)。北海道での増加理由は後述するが、網走のカワウは網走港の防波堤で繁殖しているそうだ。3月下旬に網走に飛来し、7月ころまで子育てをし、11月上旬以降は本州へ渡ると思われている。カワウは主に魚を食べる水鳥で、本州では内水面での漁業被害が問題になっているという。網走でも昨年、藻琴湖の定置網にいたニシンが被害に遭った。
次回は、市内での漁業被害の詳細や本州での糞被害などについて紹介する。
(オホーツクの日刊フリーペーパー経済の伝書鳩)

連載 カワウは悪者? ㊦ 2020/09/24掲載(網走市/社会・本誌連載) 網走で増加傾向 / 近年、網走でも増えているとされる水鳥カワウ。前回の記事で紹介した糞被害の“犯人”はカワウと断定できないが、市内の漁業者は被害に遭っているようだ。もともとは北海道で繁殖していなかったカワウ。専門家に聞くと、国内のカワウは以前、絶滅の危機にあった水鳥であった。 絶滅の危機、保護され急増…駆除へ 人間の都合に翻弄され
■ニシン食べられる? 網走のカワウは厄介者なのだろうか? 車などへの糞被害については明確な根拠がなく、カワウの仕業とは断定できない。しかし、漁業被害は実際に起きているようだ。市水産漁港課によると、昨年に藻琴湖に設置した定置網のニシンが何者かに食べられた。前例のない事態に漁業者らは困惑。同課が関係機関などに相談したところ、犯人はカワウである可能性が高まった。漁業被害と直接関係しないが、網走の水産業に詳しい男性は今年、驚くべき光景を目にした。カワウがサクラマスを丸ごと口に入れている姿を目撃したのだ。「見たときは『えっ!』と思いました。驚きました」と振り返る。
■本州では 北海道カワウ研究会によると、本州の内水面ではカワウによる漁業被害が問題になっている。北海道では現時点で問題にはなっていないようだが、網走市の“ニシン事件”を踏まえると、今後、何らかの事態が起こりうるとも考えられる。また、本州の市街地にある繁殖地では“糞被害”が報告されている。ひょっとすると、本紙記者が耳にした糞の話題は、カワウによる問題の序章なのかもしれない。
■人間の勝手? 同研究会は貴重な情報を記者に教えてくれた。カワウの“歴史”である。日本のカワウは1970年代に絶滅しかけた。絶滅を避けるため保護活動が進められた結果、個体数が増えた。しかし、その後、急激に増加したために漁業被害が深刻化し、今度は一転して本州各地で駆除が盛んに行われた。
■行動パターン 網走においてのカワウの行動パターンはどうなっているのだろうか。同研究会に聞いてみた。カワウは主に魚を食べる水鳥で「日中に行動し、夜は繁殖地、もしくはねぐらの網走港で寝ています」。カワウの行動範囲は一般的に15~20㌔程度と言われており、「網走港から20㌔以内の主に湖で食事をしているようですが、調べていないので詳細はわかっていません」
もともと北海道にはいなかったカワウ。市民からの“糞被害”の情報をきっかけに、カワウの生態や絶滅・保護・駆除といった過去を知ることができた。(大)
(オホーツクの日刊フリーペーパー経済の伝書鳩)

関連サイト

カワウ – Wikipedia

ウミウ – Wikipedia

Twitter ツイッター

bihorokato_icon4.jpg

600px-Japanese_crest_Hikone_Tahibana.svg.png

加藤 雅夫 (@bihorokato) | Twitter

Facebook フェイスブック

275257_100004368631176_1138034801_n.jpg

img_index02.jpg

加藤 雅夫 | Facebook

Masao Kato – Facebook

このページの先頭へ戻る

コメント

コメントはまだありません。

コメントをどうぞ

  • お名前とメールアドレスは必ず入力してください。
    (メールアドレスは管理者にのみ通知され、コメント一覧には表示されません)
  • いただいたコメントは管理者の承認が必要となる場合がありますのでご了承ください。

このページの先頭へ戻る