「世界の音楽療法の情報」 (2015年 2月10日)

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人生はクローズアップで見れば悲劇である、だがロングショットでは喜劇である。
Life is a tragedy when seen in close-up, but it is comedy in long-shot.

「世界の音楽療法の情報」 (2015年 2月10日)
“Information of music therapy in the World” (February 10, 2015)

伊賀音楽療法研究会メールマガジン2月号(No.163)

[世界音楽療法情報]
JMTSPアメリカ音楽療法だより(105)

伊賀音楽療法研究会メールマガジン読者の皆様、こんにちは。2月号を担当させていただきます鎌原大作です。以前にも何度かこちらのメルマガに投稿させていますので、経歴の方は省略させていただきます。私は2003年(未年)にアメリカの音楽療法士の資格であるMT-BCを取得し、仕事を始めました。今年は2015年! 今年も未年! 干支が一回りしたんだな~と考えますと、時の流れを感じます。今回の記事では、この12年間の仕事を通して変わっていた音楽療法士としての自分の定義です。

皆様は音楽療法士の定義を考えた事がありますでしょうか? 「音楽療法」の定義はアメリカ、日本に問わず音楽療法学会のウェブサイトに載っていますが、音楽療法士の定義は見かけた事が今までありませんでした。私が一番最初に音楽療法を勉強したヴァージニア州のシェナンドーア大学(Shenandoah University)では音楽療法士としての定義を以下の様に教わりました。

音楽療法士は音楽家であり療法士であり科学者で無くてはならない。カメラの三脚の様にこの3つが組合わさって成り立っている。

当時は音楽療法を勉強し始めたばかりの何も知らない学生でしたので、素直にふ~ん、そうなのかと思っていたのですが、仕事を通してその考え方が変わった出来事が幾つかありました。一つ目は最初に雇用された急性病院の精神科ではリハビリテーション療法士というタイトルで働いた事です。このリハビリテーション療法士のポジションに就く為に必要な資格は、作業療法士、レクリエーション療法士、芸術療法士、ダンスムーブメント療法士でも良かったのです。つまり絶対に音楽療法士では無くても良かったわけです。ですので仕事の内容としては療法的ではあるのですが音楽療法とは直接的に関係が無い事も仕事の一部としてありました。

また大学での音楽療法の勉強では、クライエントさんは医者、社会福祉士などから照会されてくると習ったのですが、実際の職場では病院に来た人全員に音楽療法に興味があろうと無かろうと基本的にセッションを行わなくてはいけませんでした。クライエントさんの中には「音楽なんかやりたくな~い」なんて仰る方もいらっしゃって、その様な方も参加できるようなセッションを考えるのに苦労した思い出もあります。この頃から Who am I? 自分とは何ぞや? 音楽療法士とは何ぞや? と考える様になりました。自分は何の為にココの病院で働いているんだろう? 音楽がしたいのか? 何がしたいのか? その答えが一生でなさそうな質問の回答は、ある日何気ないクライエントの会話の中で突然に見つかりました。

急性の病院なのでクライエントさんが毎日違う事もあります。ある時、新しいクライエントさん達に「私はセラピストです」と自分を紹介している自分に気が付いたのです。勿論「私はミュージックセラピストです」とも紹介する事はできますが、「私は音楽家です」とは自分自身を紹介できなかったと思います。自分はセラピストなんだ! それが、この病院での自分でのポジションなんだと理解してから、自分の音楽療法士としての定義も「音楽をモダリティーとしてメインに使うセラピスト」という考え方になりました。勿論、音楽家の部分、科学者としての部分は持ち合わせていますが、一番根っこにあるのは「療法士」としての自分なんだと、クライエントの少しでもより良いベネフィットの為にココにいるんだなと今は思っています。なので今の自分の感覚的には「療法士」という名の大きな鉢植えに、音楽家というお花や科学者のお花が咲いている感じでしょうか。

これはあくまでも自分自身が現在感じているだけの事で、これが正確な定義では全くありません。ただ私が12年間の仕事で見つけた、自分自身が音楽療法を行う者として、働く上で自分自身の指針となっている考え方です。皆様の音楽療法士の定義は何でしょうか?良かったら教えてくださいね。 Who are you? あなたは誰ですか?
鎌原大作 Kdaisaku@hotmail.com

[編集後記]
2月1日(日)地元歯科医師会副会長の歯科医師さんをお招きし、「歌うことが口腔ケアになる?!」~楽しく歌って、いつまでもおいしく食べよう~と題してご講演いただきました。 誤嚥性肺炎の予防や嚥下体操、発音や発声の訓練について、ユーモアも交えた楽しい講義に学び、有意義な時間となりました。それらを踏まえて、現在サロン等で介護予防・口腔ケア替え歌として実践中の当研究会『健口ソング』にお墨付きもいただきました。 今後、音楽療法の現場で、歯科医や歯科衛生士とコラボレーションの機会があるかもしれません。また、節分間近の同日午前中は、いつまでもおいしく食べて楽しく歌って口腔機能の向上を目指そうと、管理栄養士さんを講師にお迎えし、研究会調理部で恵方巻きづくりを楽しみました。 立春を前に、改めてよい1年になるよう願いつつ、西南西を向いておいしくいただきました。(よ)

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