北見からモンゴル国のウランバートル市へ保健・医療の国際技術協力

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モンゴル国の医療
社会主義時代より、モンゴルの医師1人あたりの患者数は、日本の医師1人あたりの患者数に遜色のない数字を誇っていた。現在でも、風邪程度の病気であれば、都市部ではロシア製の薬品が容易に入手できる。 しかし、モンゴルの医師は、ソ連や東ヨーロッパで、高度の医学教育を受けていながら、難しい病気には対応できない。医療物資が不足しているからである。
ja.wikipedia.org/wiki/モンゴル国の医療

保健医療で国際協力 (上)

北見の3人が
「JICA草の根技術協力事業」でモンゴルへ

保健医療に関する国際協力事業でモンゴルに派遣された北見市の3人が、11日間の派遣期間を終えて帰国した。北見の産学官21団体でつくる北見国際技術協力推進会議がJICAの委託を受けて実施する「JICA草の根技術協力事業」(25~27年度)の一環で、この派遣が事業のスタートとなった。事業内容や派遣先での活動を2回に分けて紹介する。

11日間の期間を終え帰国
低い「予防意識」

派遣されたのは日赤道看護大学准教授女性、北見市役所の保健師女性、同会議の男性。9月9~19日の11日間、モンゴルの首都・ウランバートル市を訪問した。

対象地域はウランバートル駅の北側に位置するバヤンゴル区第11ホローと第23ホロー(※ホローは区を構成する町のこと)。

バヤンゴル区には、23のホローがあり、そのうち21カ所に家族保健センターが設置されている。ゲル(移動式住居)集落だけのホローが3カ所あり、対象地域の第11ホローと第23ホローもゲル地区が広がっている。

対象地域の人口は1万4163人、世帯数は3077世帯で、そのうち約50%が貧困世帯。市中心部と医療サービスに格差があり、ゲル地区住民に対する保健医療サービスの向上が求められている。

第11ホローと第23ホローには、その地域の1次医療を担う家族保健センターが設置されており、外来での診療や健康相談など1日当たり約200人の住民が利用している。

モンゴルでは偏った食生活に加え、寒冷地に多いとされる喫煙・飲酒による高血圧、高血糖、高コレステロールなどに起因する生活習慣病の罹患率が増えている。

そのため、この事業で生活習慣病予防や健康指導を行う保健師業務への理解とその人材育成を図り、住民の疾病予防の重要性についての意識向上を目指す。

初年度の目標は住民の健康状態や健康づくりへの意識をはじめ、医師と看護師の家庭訪問での業務内容を把握すること。そのため、今回の派遣期間中は3日間にわたり住民への聞き取り調査を行い、家族保健センターの医師と看護師による家庭訪問に同行した。

住民への聞き取り調査では、健康なうちから病気を予防する意識が低いことと、病気になってから家族保健センターを受診するケースがほとんどであることが分かった。

また、若い世代の健康予防は家族を通して行われており、病気になってからではあるものの食事制限やウオーキングに取り組んだり、テレビやインターネットを利用して健康情報を得るなど、健康に気をつける住民がいることも分かった。

2012年から国の取り組みで40~64歳を対象とした健康診断と、30~60歳の女性に対するがん検診が行われるなど、国レベルでは疾病予防に対する環境が徐々に整備されてきている。しかし、住民レベルではまだまだ普及啓蒙が必要だ。 (匡)

北見 網走 オホーツクのフリーペーパー経済の伝書鳩
2013/10/14掲載(北見市/社会)
denshobato.com/BD/N/page.php?id=73649

保健医療で国際協力 (下)

北見の3人が
「JICA草の根技術協力事業」でモンゴルへ

健康セミナーを開催
積極的姿勢

ゲル地区での家庭訪問では、乳幼児のいる世帯や生活習慣病患者、寝たきり患者のいる世帯を訪問した。いずれの世帯も家族や親せきが近くに住んでおり、困ったことの相談や介護は家族みんなで支え合っている。

家族保健センターの職員は、上下水道や道路などのインフラ整備が遅れているゲル地区という厳しい環境でありながらも週1、2回交替で家庭訪問を実施。看護師は1人で栄養士、介護ヘルパーの役割もこなしており、昼夜問わず住民から携帯電話に問い合わせがくるなど大忙しの状況だ。

北見の一行は生活習慣病の予防対策に関する取り組みとして、看護師の予防対策方法の構築と、住民の健康づくりへの意識向上を図るため、家族保健センターとモンゴル健康科学大学でセミナーを開催した。

日赤道看護大学准教授の女性は「日本の保健師活動の特徴」、北見市の保健師は「北見市の保健師活動」「生活習慣病予防の取り組み」について、モンゴル語に翻訳した資料やスライドを使って紹介した。

保健師が「生活習慣病予防の取り組み」の紹介で使用した生活習慣病の原因や特徴などの資料は、住民の健康相談や健康教室にも使用したいとの意見があった。

また、北見市の保健師が実際に使用している血圧チェック表や血圧値記録表の活用を紹介したところ、すぐにモンゴル語に翻訳して活用したいとの意見も出された。

家族保健センターに日本から持参した自動血圧計は、翌日には測定した値を記録する表とともに設置され、患者が自分で血圧を測定し記録するなど、センター・患者ともに健康づくりへの積極的な姿勢が見られた。

家族保健センターには今後の取り組みに対するアドバイスとして、この家族保健センターで実施している健康診断の結果をもとに役場のボランティアと協力し、生活習慣病予備軍を対象に健康教室を開催してはどうか-と提案して帰国した。

今年11月には家族保健センターの医師と看護師3人が北見市を訪れ、約1カ月間、日赤道看護大学や市保健センターで研修する。 (匡)

北見 網走 オホーツクのフリーペーパー経済の伝書鳩
2013/10/15掲載(北見市/社会)
denshobato.com/BD/N/page.php?id=73688

関連動画


モンゴル 保健師 Part 1_ЖАЙКА-ийн Сайн дурын гишүүний түүх – YouTube
youtu.be/CkiIzABd5v8


JICAボランティア物語 モンゴル 音楽 Part 1_ЖАЙКА-ийн Сайн дурын гишүүний түүх – YouTube
http://youtu.be/DJUV83zRSWg


Mongol Project – YouTube
youtu.be/kPILaTDK61s

関連サイト

モンゴル国 | 外務省 – Ministry of Foreign Affairs of Japan
www.mofa.go.jp/mofaj/area/mongolia/

外務省: 世界の医療事情 モンゴル – Ministry of Foreign Affairs of Japan
www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/mongolia.html

モンゴル国医療事情 – Embassy of Japan in Mongolia
www.mn.emb-japan.go.jp/jp/ryouji/iryoujouhou.htm

モンゴル | 各国における取り組み – JICA
www.jica.go.jp/mongolia/

JICA Mongolia – YouTube
www.youtube.com/channel/UCx4ZvlazZrxqQPob4vU7vMg

関連エントリー

JICAボランティア「体験談&説明会」開催のお知らせ(北海道北見市から) – 美幌音楽人 加藤雅夫
masaokato.jp/2013/03/20/080115

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3 件のコメント

  1. モンゴルの医師ら3人来北

    保健医療に関する研修で

    保健医療に関する研修のためモンゴルから来北中の医師と看護師が8日、北見市役所の桜田真人市長を表敬訪問した。代表して医師のタンガド・ヒシグスレンさん(47)が「生活習慣病の予防について学び、モンゴルに持ち帰って生かしたい」と意欲を語った。

    生活習慣病予防を学ぶ

    ウランバートル市のゲル地区で生活する住民の生活習慣病予防のため、北見国際技術協力推進会議がJICAの委託を受け実施する「草の根技術協力事業」の一環。25~27年度の3カ年事業で、9月には北見市の保健師ら3人がウランバートル市で指導を行った。 北見で研修を受けるのは表敬訪問した2人と、9日に合流した看護師1人の計3人。一行は28日まで滞在し、市保健センターや日赤道看護大学で高血圧や糖尿病などの予防の知識や北見の取り組みを学ぶ。 桜田市長は3人が初来日と聞き「北見の景色や文化、食べ物も楽しんで」と歓迎し「保健技術を学び、現地で役立ててください」と述べた。 (匡)

    経済の伝書鳩(フリーペーパー) 2013/11/11掲載(北見市/社会)
    http://denshobato.com/BD/N/page.php?id=74365

    加藤 雅夫 より 2013 年 11 月 11 日 15:38

  2. JICA「草の根技術協力事業」

    モンゴルの医師ら3人、3週間の成果を発表

    保健医療に関する研修のためモンゴルから来北中の医師と看護師計3人が27日、日赤道看護大学で3週間に及ぶ研修成果を発表した。3人は「生活習慣病の予防について知識を得られた。モンゴルで実践したい」などと話し、28日に離北した。

    北見の日赤道看護大学で研修
    生活習慣病予防を指導する
    保健師の必要性を認識した

    ウランバートル市のゲル地区で生活する住民の生活習慣病予防のため、北見国際技術協力推進会議がJICAの委託を受け実施する「草の根技術協力事業」(25~27年度)の一環。7日に来北して同大学で講義を受けたほか、北見市の取り組みなどを学んだ。 3人は「生活習慣病予防を指導する保健師の必要性を認識した」「身近な材料を工夫してリハビリに必要な器具を作るアイデアが得られた」などと成果を語り、帰国後の目標として生活習慣病予防に関する資料を配布するなど予防教育の実施を掲げた。 また、北見での生活で豊かな自然にふれ、和太鼓演奏など日本文化も体験できたとして感謝を述べた。 (匡)

    経済の伝書鳩(フリーペーパー) 2013/11/30掲載(北見市/社会)
    http://denshobato.com/BD/N/page.php?id=74821

    加藤 雅夫 より 2013 年 11 月 30 日 14:42

  3. ペタンク体験に熱中

    モンゴルの医療関係者
    青年研修事業で来北中

    保健医療分野の青年研修事業で来北中のモンゴルの医療関係者が26日、市内のサンドーム94でペタンクを体験した。 6人がスポーツを楽しもうとホームステイ先のホストファミリーと訪れた。市ペタンク協会の会員から身ぶり手ぶりでボールの投げ方やルールなどを教わって挑戦。目標球(ビュット)目掛けてボールを投げ合い、相手より近づけることで得点を競うペタンクに熱中した。 研修は北見国際技術協力推進会議がJICAの委託を受けて実施。医師や保健師ら13人が30日まで滞在し、日赤道看護大で講義を受けるほか北見赤十字病院などを見学する。 (成)

    北見 網走 オホーツクのフリーペーパー経済の伝書鳩
    2014/01/28掲載(北見市/社会)
    http://denshobato.com/BD/N/page.php?id=75991

    加藤 雅夫 より 2014 年 1 月 28 日 15:05

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