JMTSPアメリカ音楽療法だより(86)
- 2013年05月15日(水) 6:51
- カテゴリ: Facebook, Twitter, お知らせ, アメリカ, 健康・福祉, 国際, 日本, 音楽, 音楽療法
- この記事へのコメントはまだありません。
伊賀音楽療法研究会から世界音楽療法の最新情報が送られてきた。
伊賀音楽療法研究会メールマガジン5月号(No.142)
[世界音楽療法情報]
JMTSPアメリカ音楽療法だより(86)
こんにちは。日本のみなさんは、どのようなゴールデンウィークを過ごされたでしょうか?メールマガジン5月号を担当させていただくケトロン明子と申します。私は現在、アメリカ北西部に位置するワシントン州シアトルから50kmほど南下したアーバーン市にある総合病院(Multicare Auburn Medical Center)でクリエーティブアーツセラピストとして働いています。今回、病院での音楽療法を含めたクリエーティブアーツの医療チーム内での役割、薬物療法が基盤となっているなかでの表現療法の葛藤を書いてみたいと思います。
クリエーティブアーツセラピー(以下CAT)とは、諸芸術療法の総称で、音楽療法、アートセラピー、ダンス&ムーブメントセラピー、ドラマセラピー、サイコドラマ(心理劇)、ポエトリーセラピー等が含まれます。我がCATチームには現在音楽療法士、アートセラピスト、ドラマセラピスト、ダンス&ムーブメントセラピストがおり、各自が患者さんの病状にあわせて主にグループセラピーセッションを行っています。
勤務しているのは55歳以上を対象にした精神科で、2つの短期入院病棟(7~14日)と外来集中療法プログラムに分かれています。認知症からくる重度の行動障害、幻覚、妄想、抗うつ、夜間せん妄を持つ患者さんの病棟、鬱病や不安障害を抱えた患者さん対象の病棟、入院するほど重度ではないけれども、精神的ストレス、鬱病、不安障害、身近な人を失ったり、病気などで深い悲しみを負い、日常生活をうまく送ることができない患者さんのための外来プログラムです。医療チームは精神科医、看護師、看護助手、社会福祉士、作業療法士、CATから成っています。
CATは、新しく患者さんが入院されると、まずアセスメントで状況や入院に至る背景を理解し問題になる行動や症状の軽減策を打ち立てます。そしてグループセッション、個人セッションを通じて、常に患者さんに効果的な支援や療法が何か評価し、患者さん退院後、生活の質を最大限に保つためになにが必要か、創造芸術を通じて模索していきます。
創造、表現を使った療法は言葉を紡ぐことが難しい患者さんから色んなものを引き出す機会に恵まれます。音楽療法では、よく聞き慣れた歌や好みの音楽を使って、患者さんの「現実」を共有し、そこにある混乱、いらだち、悲しみ、絶望、希望、強さなど様々な感情を安心して表現できる空間を提供します。聞き慣れた歌や音が認知症を持つ患者さんの問題行動から気をそらすのに効果があったり、麻痺した感情を再び感じるようになったり、多様の知覚感覚を刺激することで現実認識の向上を目指すこともあります。患者さんの「病状」を超えた「個」に様々な角度からアプローチするという意味で他の芸術療法視点を重視しています。
ただ、薬物療法に重きを置く現場では、ジレンマもあります。CATのグループセッションが未だに「患者さんに退屈させないためのエンターテイメント」と見なされたり、治療計画の一部であることを知らないスタッフが途中で入室してセッションが中断されたり、教育の機会があっても、先入観でCATの役割を解釈されるなどです。そういう場合は、CATチーム同士のスーパービジョンでどうやったらグループルームの中で起こっていることを的確に、治療観点から伝えることができるか、話し合います。たまにおたがいに不満を吐き出すことで気持ちをリセットすることもありますが(笑)。これは私の職場に限ったことではなく、多くの音楽療法士が直面する課題ではないでしょうか?
最後まで読んでいただいてありがとうございました。不明な点、質問等ありましたら、ご連絡ください。
Akiko Ketron, MT-BC daru_m195@hotmail.com[編集後記]
伊賀音楽療法研究会が発足して丸14年が経過し、メールマガジンを発行は、今年の7月で丸12年となります。JMTSPアメリカ音楽療法だよりも今回が86回目と言うことで7年以上掲載が続いているということになります。伊賀音楽療法研究会も、設立当初のメンバーも14歳、年をとったと言うことで、後継者を募集することになりました。立ち上げることも大変ですが、継続していくことも結構大変ですね。このメルマガもいつまで続けられるかわかりませんが、掲載情報がある限り発行していこうと思います。(い)[伊賀音楽療法研究会メールマガジン]
このメルマガは、毎月1回以上発行する予定です。ご意見ご感想は、inui@hanzou.or.jp まで。セミナー・講習会情報など、音楽療法に関する情報をお寄せください。伊賀音楽療法研究会メールマガジン編集室
〒518-0869
三重県伊賀市上野中町2976-1上野ふれあいプラザ3階
伊賀市社会福祉協議会
電話番号 0595-21-5866 FAX番号 0595-26-0002
Eメール inui@hanzou.or.jp
http://www.hanzou.or.jp/music/top-page.htm伊賀音楽療法研究会メールマガジンのバックナンバーはこちら⇒ http://archive.mag2.com/0000071430/index.html
伊賀音楽療法研究会 – HANZOU-NET 伊賀市社会福祉協議会 http://www.hanzou.or.jp/music/top-page.htm
関連動画(YouTube)
Mother’s Day sand drawing / 沙画 母親節 – YouTube
Creative Arts Therapy for Children and Families – YouTube
I REMEMBER BETTER WHEN I PAINT – YouTube
関連サイト
HANZOU-NET 伊賀市社会福祉協議会
http://www.hanzou.or.jp/
関連エントリー
アメリカ音楽療法 の検索結果 – 美幌音楽人 加藤雅夫
http://masaokato.jp/?s=アメリカ音楽療法
世界音楽療法 の検索結果 – 美幌音楽人 加藤雅夫
http://masaokato.jp/?s=世界音楽療法
日本音楽療法 の検索結果 – 美幌音楽人 加藤雅夫
http://masaokato.jp/?s=日本音楽療法
音楽療法士 の検索結果 – 美幌音楽人 加藤雅夫
http://masaokato.jp/?s=音楽療法士
Twitter(ツイッター)
Hilgos Foundation @IRememberBetter
I Remember Better When I Paint: a documentary narrated by Olivia de Havilland on positive impact of art, museums, music & creativity on people with Alzheimer’s.
Chicago, IL & Paris, France · http://irememberbetterwhenipaint.wordpress.com/about/
Hilgos Foundation (IRememberBetter) on Twitter
https://twitter.com/IRememberBetter
加藤 雅夫 @bihorokato
みなさま、イランカラプテ!日本と世界の人々と共に“平和心”を大切に育てる事が私の願いです。Guitar Mandolin Music 美幌音楽人
北海道美幌町 · http://masaokato.jp/
加藤 雅夫 (bihorokato) on Twitter
https://twitter.com/bihorokato
Facebook(フェイスブック)
I Remember Better When I Paint | Facebook
http://www.facebook.com/pages/I-Remember-Better-When-I-Paint/131961693509686
International Expressive Arts Therapy Association-IEATA – Facebook
http://www.facebook.com/IEATA.non.profit
Iga City – 三重県伊賀市 – Government Organization | Facebook
http://www.facebook.com/city.iga
伊賀音楽療法研究会 | Facebook
http://www.facebook.com/pages/伊賀音楽療法研究会/380747902040579
加藤 雅夫 – Facebook
Masao Kato | Facebook
http://www.facebook.com/bihoro.kato
- 一つ新しい記事: 伊賀音楽療法研究会会員募集!(三重県伊賀市)
- 一つ古い記事: 魂のアイヌ詩曲 天空に響け!(モシリ・カルテット)
コメントをどうぞ
- お名前とメールアドレスは必ず入力してください。
(メールアドレスは管理者にのみ通知され、コメント一覧には表示されません) - いただいたコメントは管理者の承認が必要となる場合がありますのでご了承ください。
コメント
コメントはまだありません。