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日本国憲法起草にたずさわった米国人女性ベアテさんの崇高な理念

日本国憲法起草にたずさわった米国人女性ベアテさんの崇高な理念

2013年01月12日(土) 9:45
カテゴリ: Facebook, Twitter, e-nikka, お知らせ, アジア, カナダ, スポーツ, トロント, 北海道人, 北米, 国際, 日本, 日本映画, 観光, 音楽
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トロント（カナダ）の e-nikka編集長・色本信夫さんから、e-nikkaメールニュース配信 2013年（平成25年）1月10日（木曜日）号が送られてきました。日本の皆様にご案内いたします。

今週のe-nikkaから　2013年（平成25年）1月10日号

日加タイムス e-nikka　編集長・色本信夫

オンタリオ州ウインザーで開かれたグランプリシリーズ国際大会「スケートカナダ」にて、ペアのカナダ選手、メーガン・デュアメル＆エリック・ラドフォード組の演技（2012年10月26日）撮影：平田誠　【「今週のトピックス・ウインタースポーツの華」をご覧ください】

昨年12月30日ニューヨークの自宅で89歳の生涯を終えた米国女性ベアテ・シロタ・ゴードンさん。戦後、ＧＨＱ（連合国軍総司令部）の一員として日本国憲法の男女平等条項の草案作成にたずさわった　【「今週の e-nikka から・視点」をご覧ください】

トロントの絵本作家／画家、飛鳥童（あすか・わらべ）さんが1974年、英国ロンドン市マールボロ・ギャラリーのディレクターに認められた作品「キノコと一寸法師」（アクリル画・12号）　【「アートエッセー・欧州大陸横断列車の旅＝パリ・ロンドン終着編」をご覧ください】

オーブンで焼くふわふわドーナツで人気を呼んでいるお店「Leche Desserts」。陽光差し込む明るい店内に甘い香りが満ちています（ココモン誌より）　【「食べある記・モントリオール編」をご覧ください】

【視点】

日本国憲法起草にたずさわった米国女性ベアテさんの崇高な理念
昨年の暮れも押し詰まった12月30日、戦後の日本国憲法起草にかかわりがあったアメリカ国籍の女性がニューヨークの自宅で89歳の生涯を閉じた。ベアテ・シロタ・ゴードン（Beate Sirota Gordon）さん。日本国憲法草案者のなかで生き残っていたただ一人の人物だった。
ベアテさんは1923年オーストリア・ウィーン生まれ。両親はウクライナ系ユダヤ人だ。著名なピアニストだった父レオ・シロタ氏が東京音楽学校（現在の東京芸術大学）の教授に就任したため、1929年（昭和４年）日本に渡り、幼少期を日本で過ごした。 15歳になったベアテさんはアメリカのカレッジで学ぶことを選んだ。その間に太平洋戦争がぼっ発、ベアテさんは戦後すぐには両親のいる日本に戻れなかった。しかし軍人になれば日本に行けると聞いて、日本に戻る手段として22歳のとき連合国軍最高司令官総司令部（ＧＨＱ）の民政局で仕事をすることになった。
ＧＨＱのトップは、ご存じ、ダグラス・マッカーサー元帥。彼の主な任務は、崩壊した日本を建て直し、民主主義を育て上げることで、その最後の仕上げが憲法改正であった。ベアテさんは憲法草案制定会議の一員に選ばれ、日本国憲法の起草にたずさわった。「家庭は人類社会の基礎である」という確固たる信念をもっていた彼女は、人権条項の草案に「女性の権利」「男女の平等」を組み入れた。それが憲法第24条のもとになったといわれる。
「日本国憲法の平和条項と女性の権利を守ってほしい」──亡くなる前、長女ニコルさんにこのような言葉を遺（のこ）していたそうだ。それほど、自らがかかわった日本の憲法に対する思い入れが強かったのであろう。ニコルさんは、故人への献花などの代わりに、作家・大江健三郎氏らが作った「九条の会」への寄付を呼びかけているという。
じつは、ベアテさんはカナダとも縁があるのだ。ベアテさんは、1999年１月、バンクーバーのサイモンフレイザー大学ハーバーセンターで講演を行った。
さらに2011年11月、バンクーバーのブリティッシュコロンビア大学（ＵＢＣ）人類学博物館で開催されていた「石内都（いしうち・みやこ）ひろしま写真展」の一環としてベアテさんと家族の記録ドキュメンタリー映画「シロタ家の20世紀」（藤原智子監督）が上映された。この映画で、シロタ家が第二次世界大戦のヨーロッパでユダヤ人家族がたどった運命、他国で味わった愛の絆（きずな）、収容所などを経てきたこと。その家族の娘として、ベアテさんは戦争の悲惨さについて学ぶとともに、いつまでも平和な将来が続くようにと訴えている。
ベアテさんが日本国憲法の起草にたずさわったことについて、今、日本では「22歳の若い女性がこのような重要な任務をこなしたとは思えない」と疑問を投げかける人もいる。だが、日本国憲法に託した平和と女性の権利を願う彼女の崇高な理念は貴重だと思う。

それでは、今週も「e-nikka」をご愛読ください。

＜今週のトピックス＞

【アート・エッセー】
わらべの楽苦画記（らくがき）
絵本作家／画家・飛鳥童の人生航路

【ウインタースポーツの華】
フィギュアスケート・カナダ国内大会
１月13日－20日、ミシサウガ・ハーシーセンターで開催

【シリーズ不動産】
昨年の家の販売実績を振り返り
2013年の不動産マーケットを予測する

【食べある記・モントリオール編】
オーブンで焼くふわふわドーナツ
Leche Desserts

【今週のおすすめ本】
５５歳からのハローライフ
村上龍／著　幻冬舎

＜読者ひろば＞

【東京情報】
歌舞伎座、４月リニューアルオープン
新名称は「GINZA KABUKIZA」

【海外安全情報】
ノロウイルス感染症がバンクーバーで流行しています

＜コミュニティー・ニュース＞

日本酒を学び味わうイベント
「燗酒セミナーと試飲会」１月21日（月）

ＪＣＣＣ映画会「Always　三丁目の夕日’64」
１月31日（木）午後７時、小林ホール

「太極拳クラス」シュエン恵美子さん指導
冬の期間毎月第一木曜日、ＪＣＣＣ

指圧ワークショップ
２月23日（土）午後２時、ＪＣＣＣ

カナディアンステージ主催「現代演劇&ダンス」
２月26日～３月２日、梅田宏明・平田オリザらの作品

「ハルトンお正月会」　
１月13日（日）に開催します！

＜おでかけガイド＞

劇団「SOULPEPPER」
2013年シーズンの演劇シリーズ

ハーバーフロント、２月８日－10日
旧正月を祝うイベント「CIBC LunarFest」

ジャズピアニスト、ロン・デービス
新ＣＤ「Blue Modules」発表コンサート

雪と氷の祭典「イグルー・フェスト」
１月17日～２月９日までの週末

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