Home
Twitter
ＴＰＰ交渉参加、日本はどうする（e-nikka編集長色本信夫）

ＴＰＰ交渉参加、日本はどうする（e-nikka編集長色本信夫）

2011年11月11日(金) 15:55
カテゴリ: Twitter, e-nikka, お知らせ, アジア, イタリア, カナダ, ギリシャ, トロント, 北米, 南欧, 台湾, 国際, 地震, 日本
この記事へのコメントは 1 件あります。

トロント（カナダ）の e-nikka編集長・色本信夫さんから、e-nikkaメールニュース配信 2011年（平成23年）11月10日号が送られてきました。日本の皆様にご案内いたします。

今週のe-nikkaから　2011年（平成23年）11月10日号

東日本大震災を踏まえ「再生」をテーマに開かれている「Toronto Art Festival」にて、開催関係者の皆さん。後列左から、高橋翔平さん、Luc Bihan さん、小原聖史さん、前の女性は村上ゆりさん（11月15日、LucSculpture Gallery, Toronto）　【「コミュニティーニュース」をご覧ください】

新企会セミナー「まさかの時の救急蘇生法」で国広ダッグ氏（中央）の指導により参加者一人ひとりがＣＰＲを体験（11月５日、トロント日系文化会館）　【「コミュニティーニュース」をご覧ください】

Colour and Form Society 主催「第59回 Open Juried Exhibition」でトロント牧野憲治さんの作品がみごと１等に入選した（11月６日、エトビコーシビックセンター・アートギャラリーにて）　【「コミュニティーニュース」をご覧ください】

伊勢神宮のおかげ座内、江戸時代のおかげ参りを再現した歴史館。ミニチュア人形が今にも動き出しそうな雰囲気で、その当時に吸い込まれそう（写真：松井祐実）　【「今週のトピックス・世界の街角から」をご覧ください】

東日本大震災の取材に応じる宮城県石巻市役所の総務部広報広聴課、佐藤義則さん（10月19日、取材：色本信夫）　【「今週のトピックス」「e-nikkaムービー」をご覧ください】

「アジアへのいざない」で披露された台湾の民族舞踊（11月６日、トロント日系文化会館）　【「コミュニティーニュース」をご覧ください】

例年より色がきれいなバンクーバーの紅葉（11月８日、撮影：妹尾　翠）　【「読者の写真リポート」をご覧ください】

■ＴＰＰ交渉参加、日本はどうする
ＴＰＰ（ティーピーピー）。このところ盛んにこの言葉が出てくる。ご存じ、環太平洋経済連携協定のことだ。太平洋に面する国々が自由貿易に関する協定を結び、お互いの経済を発展させていこうという狙いがあるとされる。その際、ＴＰＰ加盟国の間で取り引きされるすべての品目に対して、関税を原則的に100パーセント撤廃しようという枠組みである。
この協定に加盟する交渉の場に参加すべきかどうかをめぐって、日本では国論が二つに分かれている。マスコミは「平成の開国」と呼んで、賛否両論を取り上げている。たとえば、米作農家は、外国から安いコメが入ってきたら、とても太刀打ちできず、日本の農業は壊滅すると大反対。一方、自動車メーカーなどの産業界は輸出先国の関税がゼロになれば製品を売りやすくなるとして賛成を唱える。
このほか、あらゆる産業分野でメリット、デメリットが関わる重大な死活問題として議論されている。関税の撤廃は、日本全体として得なのか損なのか。学者の中には、金融や貿易の自由化には賛成という人もいれば、ＴＰＰには、たとえば公的医療保険制度など日本特有のシステムが崩れる可能性があるとして懸念する人もいる。
ＴＰＰを推進している主要国アメリカは日本に対して「バスに乗り遅れる」と催促しているという。だが、日本では「バスに乗り遅れたら、次のバスが来るまで待ったらいい」と主張する人も少なくない。それまで議論を十分に尽くすことが必要だということなのだろう。
アメリカと二国間自由貿易協定（ＦＴＡ）を結んだ韓国では、今、米韓自由貿易協定のひずみが生じ始め、抗議運動が起きているとか。
カナダはＴＰＰ交渉参加にあたり、「チーズと家禽（かきん）類の肉」を関税撤廃の枠からはずしてほしいと提案、交渉参加を拒否されたと報じられている。
日本の国会は、与党民主党内でＴＰＰ推進派と反対派が論争。つい先日には、与野党の議員が超党派で大きな反対集会を開いた。最終決定は野田佳彦首相の胸のうちにあるといわれるが、「交渉参加」「参加見送り」、どのような決断が下されるのであろうか。注目したい。

■こんどはイタリアが・・・
先週号の本欄でギリシャの経済危機について述べたが、この１週間で事態は大きく変化。国民投票は行わないことになり、内閣信任投票で信任され、パパンドレウ首相が辞任することになった。ところが今度はギリシャより経済規模がはるかに大きいイタリアで雲行きが怪しくなってきた。ベルルスコーニ首相が経済危機の責任をとり辞任へ。欧州の安定化への道は険しい。

【編集部より】ＴＰＰまたは欧州の経済危機に関してあなたのご意見を編集部までお寄せください。

それでは今週も「e-nikka」をご愛読ください。（編集長色本信夫）