Home
Twitter
気にかかる義援金の行方（カナダのトロントより）

気にかかる義援金の行方（カナダのトロントより）

2011年06月10日(金) 9:43
カテゴリ: Twitter, e-nikka, お知らせ, カナダ, トロント, 北米, 国際, 地震, 日本, 音楽
この記事へのコメントはまだありません。

トロント（カナダ）の e-nikka編集長・色本信夫さんから、e-nikkaメールニュース配信 2011年（平成23年）6月9日号が送られてきました。日本の皆様へご案内いたします。

今週のe-nikkaから　2011年（平成23年）6月9日号

気にかかる義援金の行方
東日本大震災の被災者救援運動は、カナダでも、コンサート、アート展、ディナー会、祈とう会、さらに、おにぎり販売会といった、じつにさまざまな形で「がんばろう日本」を展開している。

祖国日本の窮状に援助の手を差しのべようと日系人、在留邦人、そしてカナダ人が団体、個人で奮闘している姿には心あたたまるものが感じられる。集まった義援金は相当な額にのぼっているものとみられる。

その一方で、こうして世界中から寄せられた義援金は、日本の被災者の皆さんにちゃんと渡っているのだろうか。ふと、こんな懸念が胸をよぎった。先週号「今週のトピックス」で、津波で流された宮城県石巻市の実家の跡を５月中旬に訪ねたモガール和子さん（オンタリオ州ミシサウガ在住）が、「政府や日本赤十字社からの義援金は一円も被災者に届いていません」と述べた言葉が気にかかる。

日本赤十字社は、「義援金は各都道府県に設置された義援金配分委員会に渡します。ただ、受け皿となる配分委員会がまだ整っていないことや、被災の全容が判明していないこともあって、しばらく時間がかかるでしょう」と言っているそうだ。被災者の皆さんは、今すぐ、のどから手が出るような心境でいるのに、もどかしい話だ。

昨年、トロントやバンクーバーを訪れ、感動の「地球のステージ」ショーを行った桑山紀彦医師が院長を務める宮城県名取市の東北国際クリニック。このクリニックに直接宛てて、バンクーバーの「地球のステージ」支援団体がカナダ各地から集まった義援金を送った。この方法だと、義援金の行き先がはっきりしていて、送るほうもすっきりする（バンクーバーの支援団体は５月末で口座を閉めたため、それ以後は個人的に直接、名取市の東北国際クリニックに送っている人もいるとか）。

また、「e-nikka」５月12日号に掲載した記事「一人１バッグ」のように、岩手県大船渡市の小学校が母校だというトロント岩手県人会の人が友人とともにこの学校に学用品や運動着などを贈る運動をしたケースもある。ミシサウガ市の小学校に生徒一人１バッグを呼びかけて、新品のリュックサックに新品の運動靴、ジャージー、文房具などを詰めて、それを日本で東日本大震災に遭遇し日本人にお世話になったという物流会社の社長がコンテナ輸送費を無料で大船渡市の小学校に直接送ったという話である。

赤十字のような巨大な組織を通して義援金を送るのもひとつの方法だろう。また、上記の例のように、個人的にゆかりがある、あるいはお世話になったことがあるといった理由で、その団体や施設に宛てて直接、義援金（物資）を送るのも、送る側、送られる側がはっきり分かって良いという人も少なくない。

【編集部より】義援金の配分についてあなたのご意見をお寄せください。
　
「一定のメド」でますます混迷
菅内閣不信任案はあえなく否決された。これで、菅直人首相はほっと一安心と思いきや、不信任案決議投票の直前に「一定のメドがついた段階で辞任する」と公言したものだから、さあ、「一定のメド」とはいつのことか、と野党からも与党民主党からも突っつかれる有り様。先週号に日本の政治に関する意見を募集したところ、３人の読者からご意見が届きました。【「読者の声」】をご覧ください。「一寸先は闇」が政治の世界、いったい菅内閣はいつまで続くのか。注視していきましょう。

それでは、今週も「e-nikka」をお楽しみください。（色本信夫）