令和3年 北見さつき句会詠草一覧

令和3年 北見さつき句会詠草一覧

関連記事

伝書鳩文芸 俳句
北見さつき句会 八月詠草
命あつことの喜び蛍とぶ 坂上美果
呼び交はす蛙にぎやか雨もよひ
灯だす古りし玻璃戸の夏座敷 坂上菜穂子
かどひとつ違へて迷ふ梅雨の路地
黙祷の多き八月忍び草 坂本紀美子
久しぶり雨の匂ひの夏夕べ
積み古りし煉瓦の壁に茂る蔦 斎藤正仁
石涼し薄荷長者の路地の蔵
草刈の音止み午後の三時かな 吉田純子
飲むごとに麦茶氷の音変へて
バス停となりし駅舎や墓まいり 畠中たか志
歩数計今日も満たして汗拭ふ
水うまし氷うかべるだけの水 畠山邦恵
幼児を抱くかに西瓜腕の中
堂ひとつ残し主なき牡丹園 畠山やすお
泥の手に青物野菜喜雨上がる
霧冷の心に募り来る一事 畠中じゅん
雲海か霧か夕づき来し脚下

伝書鳩文芸 俳句
北見さつき会句会 六月詠草
つり船の波のなすまま五月晴れ 坂上美果
おだまきや又もや過去へ逆もどり
灯籠も吾もしだれし花の中 坂上菜穂子
山風は山に戻りぬ花の午後
取りたての翡翠の甘露松葉独活 坂本紀美子
鈴蘭の音色かそけき庭手入れ
定かなる雲の陰陽夏の空 斎藤正仁
冷酒や昔のジャズに洒落心
寄せ植ゑの端に顔出す土筆かな 吉田純子
携帯を胸にうたたね薄暑かな
雑草に混じりルピナス廃止駅 畠中たか志
いつからか植え外来種咲き初めし
往来も途絶えて久しはたた神 畠山邦恵
葛切やシロップ淡くガラス碗
新緑の木もれ日やさし山路ゆく 畠山やすお
藤房の縺れることもなく吹かる
吊橋の揺れと夕滝かもす音 畠中じゅん
露天湯を出て万緑の底歩む

伝書鳩文芸 俳句
北見さつき会句会 五月詠草
街の灯の友禅模様春の雨 坂上美果
散りぎはの光の中の残花かな
絡み合ふ小枝目白のゐる気配 坂上菜穂子
囀りをかき消して波くだけ散る
春鋸の枝断つ木々に浄め塩 坂本紀美子
濃淡に桜けぶれる遠野かな
咲き初めて葉のなき風情北こぶし 斎藤正仁
鶯や朝のすがしき湖畔道
春眠も吸ひ上ぐ空の青さかな 吉田純子
生返事本を開きて春の宵
山頂の三角点は若葉雨 畠中たか志
連休は読書ざんまい風薫る
はにかみの制服姿入学す 畠山邦恵
ぬかるみに歩をえらびつつ水芭蕉
初蝶や昨日につづく土いぢり 畠山やすお
黙礼す花の奥なる忠魂碑
諸葛菜風に薄むらさき揺らし 畠中じゅん
早苗田に富士映る待つ去り難し

伝書鳩文芸 俳句
北見さつき句会 四月詠草
断崖の孤高の古木花もなく 坂上美果
止れば遠き日の夢糸桜
触るるものみな震はせて風光る 坂上菜穂子
水底に蠢く春の光かな
橋脚に春の水音ほとばしる 坂本紀美子
駐輪場ドミノ遊びの春疾風
玻璃多き新築ビルや風光る 斎藤正仁
日のぬくみ運ぶそよ風雪間草
春告ぐる土の匂いや足もとに 吉田純子
雪間でき大樹の命動きけり
見晴端開通式や樹氷咲く 畠中たか志
寒雀くる土手削られて宅地なる
北国といふトンネルや春の風 畠山邦恵
煮こぼして文旦の香の愛でてより
春落葉吹き寄せられし小さき嵩 畠山やすお
わたつみの鎮まり給へ鳥帰る
青春の心果なし桃の花 畠中じゅん
眩しさの小暗さと化し花下の昼

伝書鳩文芸 俳句
北見さつき句会 3月詠草
会ふことの叶はぬ友へ金目鯛 坂上美果
枝ゆれて誰かゐるらし花大樹
風音を聞くのみ寒の道をゆく 坂上菜穂子
熱燗のそろそろ手酌なりし頃
口中の葉の香ふわりと桜餅 坂本紀美子
雪消水脈打つ音や雨水升
埃など溜めしもの見せ雪間かな 斎藤正仁
雪解水上下四方に立てし音
救急車雪降る音に急ぐ灯り 吉田純子
逃げて鳴き鳴いては集ふ寒雀
机上にも差し込む日差し春めきぬ 畠中たか志
マンホール廻りだけ解け雪の朝
小さき荷の届くバレンタインの日 畠中邦恵
障りあるひとつふたつに寒あける
いさげ屋の気つ風なつかし鰊買う 畠山やすお
春めくや降りみ降らずみ軒の雨
退院し自由な時間春の風 畠中じゆん
愁ひふと花の一弁散りし時

伝書鳩文芸 俳句
北見さつき句会 二月詠草
淡々と生くる話や年賀状 坂上美果
目覚ましを頼る早起き七種打つ
湯けむりに湯桶ひびかせ冬の朝 坂上菜穂子
数へ日の今日の一膳地酒酌む
部屋隅のひそみ余寒の今だなほ 坂本紀美子
誘い出す四温の術や脚はづむ
願ひ事火と化し宙へ節分会 斎藤正仁
転ぶたび笑い出す児やそり遊び
踏切の鐘の音ひびく雪晴に 吉田純子
悴める心も猫に癒されて
休刊日刻持て余す雪の朝 畠中たか志
孫のいることの幸せ豆を撒く
お年始や白寿の人に来し方も 畠山邦恵
新雪に不覚の足をすくはるる
軒の端に迫る星空夜半の冬 畠山やすお
じんじんと降り来る凍れ月白む
伸ばす手にかがめる足に春の風 畠中じゆん
試歩たのし風光りつつまろみつつ

関連サイト

北見市生涯学習 令和3年発行 団体・指導者ガイド

関連エントリー

伝書鳩文芸 の検索結果- 美幌音楽人 加藤雅夫

このページの先頭へ戻る

2 件のコメント

  1. img_history_index03-375x500_2.jpg

    北見さつき句会の皆様、ありがとうございました。
    皆様の心情を読み取ることができました。

    返し句
    春よ来い雪間の土に福寿草 美幌町の白雲人・加藤雅夫

    加藤 雅夫 より 2021 年 4 月 22 日 10:44

  2. bihorokato_icon4.jpg

    転載は視力低下で断念す (音楽人 加藤雅夫)

    これまで、ありがとうございました。

    加藤 雅夫 より 2021 年 10 月 14 日 12:12

コメントをどうぞ

  • お名前とメールアドレスは必ず入力してください。
    (メールアドレスは管理者にのみ通知され、コメント一覧には表示されません)
  • いただいたコメントは管理者の承認が必要となる場合がありますのでご了承ください。

このページの先頭へ戻る