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「音楽療法士ってどんな仕事ですか？」

「音楽療法士ってどんな仕事ですか？」

2012年12月12日(水) 12:33
カテゴリ: Facebook, Twitter, お知らせ, アメリカ, 健康・福祉, 国際, 日本, 音楽, 音楽療法
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音楽療法士のニュースとブログ（Google 検索）

伊賀音楽療法研究会（三重県伊賀市）から「日本と世界の音楽療法情報」が送られてきました。

伊賀音楽療法研究会メールマガジン１２月号(No.137)

[世界音楽療法情報]
◎ＪＭＴＳＰアメリカ音楽療法だより（８１）
皆さんこんにちは。伊賀音楽療法研究会メールマガジン12月号の記事を担当いたします、音楽療法士の早川佳子と申します。以前にもこのメルマガの記事を執筆いたしましたが、確か2007年の12月号で、当時私はまだカリフォルニアで音楽療法のインターンをしておりました。記事の内容はケンタッキー州ルイビルで開催されたAMTAの学会についての報告でした。当時若かった（今よりは・・）私は音楽療法に対する希望と熱意に燃え、初めて参加した学会での感動と喜びを素直に書いています。その後、インターンを終了し、母校のCSU（コロラド州立大学）に戻り、大学院に進学し、音楽療法で修士号を取得し、かなり苦労して米国公認音楽療法士（MT-BC）の資格を取りました。大学院卒業後、OPTの期間、コロラド州立大学のある街、Fort Collinsに滞在し、ピアノを教えたり、パートタイムで音楽療法のセッションをしたり、大学院の研究室で、スーパーバイザー、PT、ケアワーカー、学生仲間と一緒にNMT（神経学的音楽療法）の実践に取り組むなど、job huntingをしながら、自分なりにアメリカでできることを試みました。
昨年４月下旬日本に帰国し、２０１１年７月より、縁あって今の職場で常勤の音楽療法士として勤務し、早いもので一年半経とうとしています。奇しくも５年前の同じ月に記事を執筆し、またあれから５年経った今、プロになってプロの厳しさを痛感しつつ、自分なりに毎日頑張っている中で、さて、何を書こうかといろいろ考えました。そして・・・・・「音楽療法って、音楽療法士って何だろう」そんな素朴な疑問を今一度自分に問いかけています。「音楽療法士ってどんな仕事ですか？」と尋ねられたときに、皆さんなら何と答えますか？ここで私の友人が書いている文章を紹介したいと思います。
「音楽療法士はしばしば、歌う＋演奏する＋動く＋クライアントの行動を観察＆予測しながら＋次に何をしたら最適か必死に考えつつ＋頭が様々な考えで一杯一杯になっていても落ちついて＋予想外の展開に戸惑い焦っている時もにこやかに＋その時々にクライアントの目的達成の為にベストと思われる音楽や会話を瞬時に選びセッションを進める、ということを同時に要求されます。
・・・略・・・
多くの音楽療法士達が似たような体験をしていると思うのですが、私の場合は実際に、「音楽療法士？病気の人の為にアルファ波の出る演奏してあげるお仕事ですか？」と本気で訊かれたり、仕事中常に楽しそうに見えるようで「職場一幸せな悩みのない人」と思い込まれたり、「いつも好きな事をしていていいわよね」と言われてきました。実際にはそうでないことが多々あるわけですが、そう見えがちな仕事であると真摯に受け止めています。
好きな事を仕事にしているのは事実ですが、お気楽な感じからはほど遠いのが実情…忙しいのは臨床の最中だけでなく、その時々にベストの療法を目指して勉強、準備、話し合い、加えて研究、発表、学生教育、とやる事が常に山積みなのがこの仕事です。
音楽療法士という仕事は多面性に富むものであり、そこがおもしろくもあり、大変なところでもあり、難解で誤解を招きやすい部分であるとも考えます。音楽療法士という職業のイメージと実際。私達音楽療法士が「この仕事が他職種の方々からどう見えているか、そしてそれは何故なのか」を十分に考える機会が足りないように感じる時があります。他職種の方々に音楽療法という仕事への理解を深めていただくためには、自分が専門家として何が出来るのかを認識し説明できると同時に、この仕事が外部からどう思われているのかを考えながら行動することも必要であるとも感じます。」
音楽療法かけはしの会小沼愛子（音楽療法士　音楽講師） http://www.mtkakehashi.com/2012/02/27/ブログその１８-音楽療法士は何をしているのか-イメージと実際/ より引用

小沼さんは音楽療法士が日々行っていることを「勉強、準備、話し合い、加えて研究、発表、学生教育」と書いておられますが、「勉強、準備」の中に、音楽スキルを常に磨く、ということも入っていると思います。そしてそれはかなり大きなウエイトを占めていて、私も常にレパートリーを広げようと悪戦苦闘しています。小沼さんは更に「自分が専門家として何が出来るのかを認識し説明できる」ことの重要性を強調されていますが、まさにこれこそがここで皆さんと共有したいテーマです。小沼さんは私のよき友人であり、音楽療法士としてよき理解者であり、私が心から尊敬しているセラピストの一人です。彼女の持論である「音楽療法士の地位の向上よりも、音楽療法士の質の向上を」という言葉に私も深く共感しています。「音楽療法とは何か」この問いに対する私の答えを、ここであえて書かないことにします。皆さんと一緒に考えていきたいからです。仲間同士、共に学び、情報交換できる「場」がとても大切だと思います。小沼さんに許可をいただき、そんな「場」の一つ、音楽療法かけはしの会を紹介いたします。今年の夏、かけはしの会主催の研修会に参加し、大変勉強になり、また同じ道を行く素晴らしい仲間達に出会い、「ひとりじゃないんだ」という勇気とやる気を貰いました。
音楽療法かけはしの会 http://www.mtkakehashi.com/
今一度皆さんに問いかけたいと思います。「音楽療法士ってどんな仕事ですか？」さあ、あなたならこの質問に、なんと答えますか？

[編集後記]
２０１２年も残すところあと２０日あまりとなってまいりました。
２０１２年は、東日本大震災からの本格的な復興の年となり、ロンドンオリンピックが開催され、多くの感動を呼び起こしました。２０１３年が読者の皆様にとって、すばらしい年となりますようご祈念申し上げます。

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